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「観客おいてけぼり…!?」展開やオチが読めない映画5選。予測不能なストーリー、どんでん返しが魅力の作品をラインナップ

text by 編集部

映画を観ていて、先の展開やオチが読めてしまう作品はないだろうか? それはそれで内容が面白ければ、特に不満はないのだが、展開が予測不能の映画には、やはり心踊らされることもまた事実。今回は、そんな良くも悪くも「そう来るか!?」と驚かせてくれる作品を5本ピックアップした。

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衝撃のラスト…。やはり一味違う!
故・松田優作による唯一無二の主演・監督作

『ア・ホーマンス』(1986)

上映時間:99分
製作国:日本
監督:松田優作
脚本:松田優作、丸山昇一
キャスト:松田優作、石橋凌、手塚理美、ポール牧、阿木燿子、片桐竜次、平沢智子、剛州、梅津栄、伊藤洋三郎

【作品内容】

ヤクザ同士が対立し合う新宿の街に、ふらりと現れた過去の記憶を持たない男。廃屋に住むようになったその男は、いつか“風(ふう)さん”と呼ばれるようになった。街の女性との心の触れ合いや、ヤクザとの間に生まれる奇妙な友情。そんな中激化していくヤクザ間の抗争に、“風さん”も巻き込まれてゆく…。

【注目ポイント】

松田優作1988年フランスカンヌにてGetty Images

狩撫麻礼原作・たなか亜希夫作画による同名漫画が原作であり、若くして亡くなった伝説の名優・松田優作が監督した最初で最後の作品。自身が主演を務め、彼の弟分とも言える俳優・石橋凌が脇を固めている。

松田優作によると、原作のエッセンスだけいだたいたとのこと。漫画『ア・ホーマンス』のとある一コマを気に入り「主人公のこの表情を映画にしたい」という思いで、企画がスタートしたという。

その通り名の通り風来坊である主人公の風は、とにかく無表情・無感情の男。喧嘩のシーンでも痛みも感じる素振りを見せない。また、やや理解のしがたい演出や描写も散見される。例えば風目線でバイクを運転している場面で、いきなり目が回ったように、画面がグルグルと回り始める。

記憶喪失の男の内面を描きたかったのだろうか。それにしてもわかりづらさは否めない。しかし、ヤクザ組織・大島組の幹部である山崎(石橋凌)との友情が入念に描かれるなど、バイオレンスだけではないハートウォーミングな場面も節々用意されている。

そしてストーリーは佳境へと迫っていくが…、最後の最後で我々は仰天することになる。手負いの深手を受けた風であったが、痛がってはいない。そして、胸の傷口から見えたのは、機械仕掛けの臓器のようなもの。そう、風は人造人間だったのだ! そのシーンののち、暗転。

まさかの「サイボーグオチ」からのエンドロールに、公開当時、開いた口が塞がらなくなった観客が続出。「面白いけど、松田優作、何がやりてーんだ!」という賛否を巻き起こした迷作である。

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