容赦のない子供たちによる殺し合い
『バトル・ロワイアル』(2000)
原作:高見広春
監督:深作欣二
脚本:深作健太
出演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎、栗山千明、柴咲コウ、安藤政信、ビートたけし
【作品概要】
「今日はみんなに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」というキャッチフレーズで有名な、高見春広作「バトル・ロワイアル」が原作。『仁義なき戦い』の巨匠・深作欣二がメガホンをとり、2000年に公開されたR-15作品。
政府から「BR法(新世紀教育改革法)」が言い渡される。年に一度、全国の中学3年生の中から選ばれた1クラスを、脱出不可能な無人島に連れ、最後の1人になるまで殺し合いを強いるというものだ。主人公・七原秋也(藤原竜也)は理不尽な争いに巻き込まれていく。
【注目ポイント】
藤原竜也、前田亜希、柴咲コウ、栗山千秋をはじめ、日本を代表する俳優達が本作を機にスターダムを駆け上がっていった。
学校という安全な聖域から、殺し合いの舞台である無人島へと身の置き場が変わることで、生徒たちは戸惑い、恐怖するが、中には「何か変わるかもしれない」と期待を抱く人物もおり、その点、人間の醜い内面を描いた作品でもある。
例えば、殺戮の快感に目覚めた桐山(安藤政信)や相馬(柴咲コウ)は、普段はサイコパスな気質を隠していたが、閉鎖的な空間に閉じ込められたことによって本能を解放させる。
東映ヤクザ映画で研鑽を積んだ深作欣二によるギミックに富んだバイオレンス描写も見ものだ。特に、ビートたけし演じる教師がナイフを投げて、女子生徒の眉間に命中させる序盤のシーンは、予告編に使われたものの、あまりにも残酷すぎるため、劇場上映中止となったほど。
コンプライアンスが尊ばれる現代において本作のような作品を作ることは難しいだろう。時代を画した傑作をぜひ目に焼き付けてほしい。
(文・ニャンコ)
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