『クジャクのダンス、誰が見た?』考察。怪しい人物が多すぎる…現時点で信頼できるのは? 第3話レビュー【ネタバレ】

text by 苫とり子

広瀬すず主演の金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が放送中だ。本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。今回は、第3話のレビューをお届け。(文:苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

“信じる”ことの難しさ

『クジャクのダンス、誰が見た?』第3話 ©TBS
『クジャクのダンス、誰が見た?』第3話 ©TBS

 週刊誌記者の神井(磯村勇斗)に伯母の夏美(原日出子)と血が繋がっていないことを証明するDNA鑑定書を突きつけられた心麦(広瀬すず)。一方、赤沢(藤本隆宏)たち警察は、春生の手紙がラーメン屋台の店主・染田(酒井敏也)が偽造したものとして捜査を開始する。

 心麦は春生の本当の娘なのか。春生が心麦に残した手紙は本物なのか。『クジャクのダンス、誰が見た?』第3話は、“信じる”ということが大きなテーマになっていた。

 22年前に一家六人が殺害された東賀山事件で唯一生き残った次女の林川歌。彼女と心麦は同年代で、おそらく神井は2人が同一人物である可能性を疑っている。つまり、春生は何らかの事情で歌を引き取り、実の娘・心麦として育てたという仮説だ。

 松風(松山ケンイチ)は憶測に過ぎないと一蹴するが、心麦は動揺を隠せない。「誰かに会いに行ったりしないでゆっくり休むこと」と松風に言われていたにもかかわらず、心麦は居てもたってもいられず、その足で夏美の元へ。

 あのDNA鑑定は神井の偽造だと思いたかったのだろう。しかし、夏美はあっさりと神井に協力したことを認め、鑑定の結果にも「やっぱり」と納得している様子だった。というのも、静香(仙道敦子)は子宮の病気で子供は難しいと言われていたというのだ。

「春生のこと、全部知ってるとでも?」という夏美の言葉に心麦の心は大きく揺さぶられる。たしかに、どんなに親しい間柄でもその人の全てを知っているとは限らない。静香が、春生の財産を管理するといいつつ、最初から独り占めするつもりだったように。

 それでも心麦は春生が自分に嘘をついていたとは思いたくなかったのではないか。少しでも春生を疑う気持ちを早く消し去りたかったのか、心麦は戸籍謄本を取りに行く。

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