「こんなにご機嫌な阿部さんを見るのは初めて」ドラマ『しあわせな結婚』脚本家・大石静がキャスト陣の演技を大絶賛
ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)。本作は、人気弁護士の原田幸太郎(阿部サダヲ)が美術教師の鈴木ネルラ(松たか子)と電撃結婚することから始まるマリッジ・サスペンスだ。第1話のラストでは、ネルラの衝撃的な秘密が明らかに。気になる第2話放送に向けて、脚本を手がける大石静が取材に応じた。(取材・文:苫とり子)
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大石静、キャストの芝居に大絶賛
本作は、「妻が抱える大きな秘密を知ったとき、彼女を愛し続けられるのか?」というテーマで夫婦の愛を問う、完全オリジナルのホームドラマであり、マリッジサスペンスだ。
人気弁護士の原田幸太郎(阿部サダヲ)はずっと独身主義を貫いてきたが、ある時運命的に出会ったミステリアスな美術教師・鈴木ネルラ(松たか子)と電撃結婚。幸せな新婚生活が始まると思いきや、ネルラの抱える“大きな秘密”が少しずつ明らかになっていく…という展開になっている。
昨年、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合、2024)の脚本を手がけた大石静の「阿部さんでホームドラマを書きたい」という思いから企画がスタートした本作。
まず、ホームドラマを作りたいと思った理由について、大石は「私が小さい頃は決まったセットで回していくようなホームドラマが多くて、それで育ったものですから、今でも自宅で見るテレビの王道はホームドラマだろうというのが頭にあるんです。阿部さんが主演を務めてくださるなら、王道のホームドラマをやってみようと思いました」と語った。
さらには松の出演も決まり、それぞれ当て書きで幸太郎とネルラのキャラクターを作っていったという大石。2人の芝居を見た感想について「阿部さんは、ネルラから『うち来ませんか』と言われた時の『はっ!?』という表情から始まり、どの表情も完璧。松さんは、ミステリアスとひと言でいえばそうですが、堂々とした感じと儚い感じを見事に表現されていました。おふたりは相性も芝居のリズム感もすごく良くて、こんなにご機嫌な阿部さんを見るのは初めてです(笑)」と語り、同席した阿部は「以前ご一緒した時、僕そんなに機嫌悪かったですかね…」とタジタジしていた。
阿部サダヲは「日本一の俳優」、段田安則は「日本の宝」
ネルラと結婚した幸太郎は、彼女の父・寛(段田安則)、弟・レオ(板垣李光人)、叔父・孝(岡部たかし)と同じマンションの別部屋で暮らし始める。
そんな特殊な家族像が生まれた経緯について、大石は「どうすれば面白くなるだろうかとこねくり回しているうちに、この設定に辿り着きました。まずはとにかくホームドラマをやろうと思って。ただ、ちゃぶ台返しのような昔ながらのホームドラマを今やっても、リアリティがないなと。じゃあ今風のホームドラマってなんだろうと考えた時に、あまり家族はくっつかないけど、同じマンションに住んでいるのが一番幸せなんじゃないかなと思ったんです」と説明。
「ただ、鈴木家は一見ベタベタしていないようで、実は大きな秘密を抱えています。第2話以降は、ホームドラマとこの家族の秘密を巡るサスペンスがより複雑に絡み合っていくので期待してください」とアピールした。
また、先日開催された完成披露試写会で阿部を「日本一の俳優」、段田を「日本の宝」と称した大石は2人の共演について聞かれると、「私にとって、とっても贅沢なことだと思います」とご満悦。
「松さんも女優のトップを走っている方だと思っていますし、キャストが本当に豪華で。李光人くんも岡部さんもお芝居が達者だし、いつもは“ここの芝居はそうじゃないだろう”とかって思うんですが(笑)、今回はそれがないんです」とキャスト陣の演技を称賛した。
「そんなに人生は簡単なものではない」とバッサリ
第1話のラストでは、ネルラが警視庁捜査一課の刑事・黒川(杉野遥亮)から、15年前に亡くなった元恋人・布勢(玉置玲央)の殺害容疑をかけられていることが明らかに。玉置は『恋する母たち』(TBS系、2020)、大河ドラマ『光る君へ』など、大石が脚本を手がけるドラマの常連俳優だ。
大石は「玉置さんから今度こそはいい人にしてくださいねって言われていたのに、約束を破っちゃって悪かったなと思ってます(笑)」と謝罪。その上で「プロデューサーからこの役はぜひ玉置さんにと言われて…。でも、素敵なところも書いてますので」とフォローした。
最後に「最終的にやっぱり家族っていいな、夫婦っていいなと思うような展開になっていくのか」と問われた大石は、「そんなに人生は簡単なものではないですよ」と一刀両断。これには質問した記者も思わず「すみませんでした」と平謝りし、会場が笑いに包まれた。
一方で、「人間は一人じゃ生きられないので、支え合って生きていくことは必要じゃないですか」と語った大石。
「だからネルラと幸太郎が幸せになれるかどうかはまだ分からないですが、2人が巡り合ったことには意味があったと思えるような展開にはしていきたいと思っているので、そこは楽しみにしていてください!」と視聴者へメッセージを送った。
【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
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