オリジナルを超える緊張感がすごい…進化したサスペンス要素とは? Netflix映画『新幹線大爆破』考察&評価レビュー
text by 村松健太郎
Netflix映画『新幹線大爆破』が全世界同時配信されている。1975年の同名作を草彅剛主演でリブートした本作は、走行中の新幹線に“一定の速度を下回ると爆発する爆弾”が仕掛けられ、追い込まれた人々の攻防が描かれる。今回は、本作のレビューをお届け。(文・村松健太郎)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
伝説の超大作が現代に蘇る
本作は、高倉健1975年の同題作品を50年ぶりにリブートしたサスペンス大作だ。
新青森から東京に向けて走り出す新幹線はやぶさに“時速100キロ以下になると爆発する”爆弾が仕掛けられる。車掌、運転指令、警察、政府は必至に犯人を追い、また爆弾の解除、乗客の救助に奔走する。
前作でも高倉健、千葉真一、宇津井健など当時の大スターを多数起用したが、今回は主演に草彅剛、共演にのん、齊藤工、細田佳央太、要潤、尾野真千子などが顔を揃えた。
まずはオリジナルについて語らねばならないだろう。1975年当時、剛腕として知られていた東映の岡田茂社長が、その頃、海外で大ヒットをしていた“パニック映画”を見て、「和製パニック映画を作ろう!」と宣言。
題材に選ばれたのは当時としては世界的にも類を見ない超特急であり行動経済成長の象徴であった新幹線。その新幹線に“時速80km以下になると爆発する”という爆弾が仕掛けられるという物語だ。