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映画『赦し』は面白い? 娘を同級生に殺された遺族の葛藤を描く。忖度なしガチレビュー《あらすじ キャスト 考察 解説》

text by 寺島武志

高校生だった娘を同級生に殺害された夫婦と、加害者の女の裁判劇を描く映画『赦し』。重厚でリアリスティックな語り口による本格的な裁判劇と、登場人物たちが抱く不安、迷い、痛みをシンクロさせた濃密な世界観が見どころだ。3月18日(土)公開の本作のレビューをお届けする。(文・寺島武志)

娘を殺された夫婦と、同級生を殺した女の苦しみ。
クラスメートを殺した動機とは…?

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高校生だった娘の恵未をクラスメートに殺害されて以来、7年もの間、現実逃避のためにアルコール依存症となっていた父親・樋口克(尚玄)のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者・福田夏奈(松浦りょう)に再審の機会が与えられるという場面から、ストーリーが始まる。

本作は、未成年犯罪を軸に、愛する娘を殺された元夫婦と、犯行時に未成年だった殺人加害者の3人が、それぞれの癒やしようのない苦しみに囚われ、葛藤する様子を描いている。魂の救済、すなわち“赦し”という深遠なテーマを描いている裁判劇だ。

大切な一人娘の命を奪った夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子(MEGUMI)とともに法廷に赴き、夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ。しかし、強い懲罰感情を抑えられない克と、忌まわしい過去に見切りをつけたい澄子の感情は、徐々にすれ違っていく。

やがて法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至ったショッキングな動機が明かされ、澄子は裁判から身を退く一方で、復讐の殺意に駆られた克は思いも寄らない行動を起こす…。

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