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キリスト教一派のレイプ事件を描く…。映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』 出演者のクレア・フォイが脚本の魅力を語る

text by 編集部

キリスト教一派のレイプ事件を描いたベストセラー小説『WOMEN TALKING』を映画化した本作。アカデミー賞をはじめ、数々の賞で脚色賞にノミネート・受賞している。高い評価を得る本作の脚本を担当したのは、監督でもあるサラ・ポーリー。本作にて多数の助演女優賞にノミネートを果たしたクレア・フォイが、脚本の魅力を明かす。

赦すか、闘うか、それとも去るか…。
キリスト教一派の村で起きた連続レイプ事件が題材

【STORY】
2010年、自給自足で生活するキリスト教一派の村で起きた連続レイプ事件。これまで女性たちはそれを「悪魔の仕業」「作り話」である、と男性たちによって否定されていたが、ある日それが実際に犯罪だったことが明らかになる。タイムリミットは男性たちが街へと出かけている2日間。緊迫感のなか、尊厳を奪われた彼女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う―。

© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.

本作は2018年に出版され、NEW YORK TIMES ブックレビュー誌の年間最優秀書籍に選ばれたミリアム・トウズによる同名ベストセラー小説『WOMEN TALKING』が原作の映画。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。

監督は『死ぬまでにしたい10のこと』で女優として活躍しながら、2006年『アウェイ・フロム・ハー君を想う』で監督、脚本家としてデビューし数々の賞を受賞したサラ・ポーリー。すでにオスカー前哨戦では脚色賞を数多く受賞、アカデミー賞にもノミネートされた。

「まるで戯曲のよう」クレア・フォイが語るサラ・ポーリー脚本の魅力

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「今までに読んだことのないような脚本だと思った」
「初めから終わりまで一貫したストーリーとして描かれていたんです。多くの脚本は、シーンごとにト書や演出内容が書き込まれていて、読み手がどう感じ取ったら良いのかを明示的に指し示すのですが、この作品はそうではなく、さまざまな解釈の余白がありました。」とクレアは語った。

議論で構成される脚本には、セリフが密に書かれていたという。

「サラに「まるで戯曲のようね」と言ったのを覚えています。女性らがそれぞれの哲学や感情や事情を交差させながら議論するわけですが、そこを取っ払って視覚的な表現に委ねようとしても無理があるということをサラはちゃんと分かっていて、とても勇敢な判断をしたと思います。」

女性たちの大きな感情のうねりを、言葉のかけ合いで巧みに表現したサラ・ポーリー。クレアも絶賛する戯曲のような脚本に、アカデミー賞脚色賞受賞への期待がかかる。

映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』はこの夏、
TOHOシネマズシャンテ、渋谷 ホワイトシネクイント他公開予定

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
監督・脚本: サラ・ポーリー
キャスト:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショー、フランシス・マクドーマンド ほか
製作:デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、フランシス・マクドーマンド
製作総指揮:ブラッド・ピット、リン・ルチベッロ=ブランカテッラ、エミリー・ジェイド・フォーリー
原作:ミリアム・トウズ(「WOMEN TALKING」)
配給:パルコ ユニバーサル映画 © 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
公式サイト
公式Twitter:@womentalking_jp

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