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圧巻のライブ映像に注目〜映像の魅力

1969年ビートルズのルーフトップ・コンサート当時の様子
1969年ビートルズのルーフトップコンサート当時の様子Getty Images

本作の映像の魅力は、なんといっても圧巻のライブ映像だろう。終盤、ジャックが実際にイギリスを代表するシンガーソングライターであるエド・シーランのツアーに参加。シネマティックな映像が突如ライブの記録映像に切り替わり、24万人の観客と一緒に『All You Need Is Love』を演奏する。なお、このシーンは、本作の撮影がエドの実際のツアーと奇跡的に重なっていたからこそ実現したもの。まるで虚構の世界が現実の世界に流れ出しているような不思議な感覚を受ける。

ちなみに、このライブの前には、ジャックのお披露目ライブのシーンが挿入されているが、このシーンでは、ビートルズの最後の歴史的なライヴ・パフォーマンスである「ルーフトップ・コンサート(屋上ライブ)」を完璧に再現。演奏時に地面に敷かれていた木の板まで細かく再現されており、ダニーたちのビートルズへの深い愛がひしひしと感じられる。

また、ダニー・ボイルならではの疾走感のある映像表現やポップなグラフィックにも注目。例えば、『I Saw Her Standing There』のレコーディングシーンでは、ノリノリでレコーディングしている彼らの様子と、レコーディングスタジオの傍を通過する電車が小気味よく編集される。また、ジャックとエリーがリバプールのマージートンネルを歩くシーンでは、『Hello, Goodbye』のさわりに合わせて「HELLO」「GOODBYE」と書かれた大きな文字が通り過ぎる。なんともオシャレな演出である。

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