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楽曲『Help!』に込められたメッセージとは?〜音楽の魅力

ビートルズ
ビートルズGetty Images

本作で用いられているビートルズの曲は全部で20曲あまり。作中では、これらの曲が物語や登場人物の心情とリンクしながら進んでいく。以下では、このうち、3曲を紹介したい。

まずは、ジャックが初めてテレビ番組で披露する『In My Life』。「友達も恋人も誰も君には敵わない」という歌詞に、エリーへの素朴で率直な恋愛感情が表現されている。また、ピア・ホテルの屋上ライブのシーンで演奏されるのは『Help!』。ジョン・レノンが作曲したこの曲は、ビートルズがスーパースターになる中で自分を見失い、心の底から助けを求めたかった心境を表した曲だが、観客はその想いに気づかず、単なるアップテンポのロックンロールとして聴かれていたという。本作でも、ビートルズの歌を勝手に歌っている罪悪感と、加熱する人気に耐えられなくなったジャックが、ギターをかき鳴らしながら自暴自棄で歌っている。

そしてエンディング、教師に戻ったジャックが子供たちの前で披露するのは、『Ob-la-diOb-la-da』。歌詞に登場するデズモンドとモリー夫婦の幸せな生活に合わせて、ジャックとエリーの幸せな家庭が映される。さらに、作中の「オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 人生は続くのよ まだまだ続くの」という歌詞が、ジャックとエリーのその後の幸せな生活を暗示している。

なお、本作にはビートルズ以外にもエド・シーランがオリジナル楽曲「One Life」と「Penguins」を提供している。この2曲は公式でのリリースもされていない幻の楽曲になっており、ファン待望の曲になっている。

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