大河ドラマ『光る君へ』で最も演技が良かった俳優は?(2)芝居が上手くて驚いた…らしさが光った影のMVPは?
text by 西田梨紗
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)がいよいよ最終回を迎える。平安時代の身分を超えた恋愛を描き、これまでの大河ドラマとは一線を画した内容で支持を集めた。中でも、男性陣は魅力的なキャラクターが揃い、視聴者を虜にした。そこで今回は、最も芝居が良かった俳優を5人セレクトしてご紹介する。第2回。(文・西田梨紗)
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個性を活かして挑んだご意見番
ロバート・秋山竜次(藤原実資)
秋山竜次は政力争いがはびこる内裏の秩序を保つことに貢献し、問題が起きても冷静沈着に対応する藤原実資を演じている。
実資の実直さと賢さをうまく表現するだけでなく、威厳や風格をもまとわせてみせた秋山の芝居は何とも堂に入っていた。長い芸歴で培った自信があってこそのものだろう。
実資の最大の見せ場として、第42回「川辺の誓い」における幼女を変顔で笑わせるシーンを挙げたい。
言うまでもなく、秋山は超一流のお笑い芸人であり、彼のコメディセンスが存分に発揮されたシーンであった。
実資は抱きしめた幼女に「ぶるぶるぶるぶる バ~」と変顔を見せる。幼女は「おもしろい」と言うものの、表情はやや硬く、楽しそうとはお世辞にもいえない。両者の織りなす間が絶妙で、お茶の間で大笑いした視聴者も多いのではなかろうか。
数々の舞台、バラエティの修羅場で培った秋山のメンタルの強さと柔軟な表現力は、実資というキャラクターを魅力的にする上で一役も二役も買ったであろうことは言うまでもない。
(文・西田梨紗)
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