冬ドラマで最も株を上げた俳優は? 最高の演技で魅了した男(5)嫌味な芝居が上手い…ウザキャラで光る実力
text by まっつ
2025年の冬ドラマも盛り上がっている。今回は、現在放送中のドラマに出演する俳優をピックアップ。キャリア十分の実力派や新境地を開拓した若手の中から、今季、最も役者として株を上げた注目の男性俳優5人を選出し、作品の内容と共に、俳優の魅力を解説する。第5回。(文・まっつ)
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今、嫌な人間を演じたら右に出る者はいない
吉村界人『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)
すでに10年以上の俳優キャリアを誇る吉村界人だが、ターニングポイントとなったのは昨年、Netflixドラマ『地面師たち』(2024)への出演ではないだろうか。尼が入れ込むホスト・楓役を絶妙にいやらしい芝居で好演した吉村。とりわけ、地面師たちグループに見事にはめられる負け顔は、世間の話題をかっさらった。
配信ドラマでの活躍を経て、冬クールでは『まどか26歳、研修医やってます!』に出演。主人公の若月まどか(芳根京子)と同じ研修医という立場にある桃木健斗を演じている。
父親は大病院の院長で、兄弟も医師というエリート街道で育った人間で、言葉を選ばずにいえば少し鼻につくタイプだ。現実世界では、あまり近くにいてほしくはないのだが、吉村はそんな少し嫌な人間を演じるのがとても上手い。
いかにもやんちゃな容貌は芝居に説得力を与える効果を発揮していると思うのだが、言葉を吐き捨てるような喋り方は演技力の賜物。プライドの高さが言葉の端々からにじみ出るようで、桃木健斗に紛れもないリアリティをもたらしている。
ちなみに、吉村は今クールでは『ホットスポット』の第4話にも出演。こちらではホテルにクレームを入れる客という役柄だった。やはり嫌な人間を演じさせたら今彼にかなう俳優はいないのではないか? そう思わせる見事な演技だった。
(文・まっつ)
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