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「不気味な悪夢…」映画マニアの大好物…傑作カルト映画(2)。カルト純度100%! 奇形の赤ん坊が波紋を呼ぶ怪作

text by 編集部
Getty Images

今回はマニアックだけど秀逸な映画をピックアップ。ジョン・レノン一押しの元祖カルトムービーや、じりじりとメンタルが追い詰められていく不条理ホラー、殺人鬼が迫り来る最恐スラッシャー映画…。数十年の長きに渡ってコアなファンを魅了し続ける、観なきゃ損のカルト映画5本を紹介する。

●デヴィッド・リンチ純度100%! シュールで不気味な悪夢の怪作

『イレイザーヘッド』(1976年)


出典:Amazon

監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
出演:ジャック・ナンス、シャーロット・スチュワート、アレン・ジョセフ、ジーン・ベイツ、ジュディス・ロバーツ、ローレル・ニア、ジャック・フィスク、ダーウィン・ジョストン、ハル・ランドン・ジュニア、ジェニファー・リンチ

【作品内容】

工業地帯で働くヘンリーは、恋人のメアリーから子どもを妊娠したことを告げられ結婚する。しかし、生まれてきた赤ん坊は奇形で、甲高い声で泣いて彼らを苦しめ、ノイローゼになったメアリーは実家へと帰ってしまう。赤ん坊と取り残されたヘンリーは、不思議な幻覚を見るようになりー。

【注目ポイント】

本作は、『マルホランド・ドライブ』で知られる鬼才・デヴィッド・リンチの初の長編作品。主演は盟友ジャック・ナンスで、タイトルの『イレイザーヘッド』は、「鉛筆についた消しゴム」が由来になっている。

今やカルト映画の代名詞になっている本作。陰鬱な画面や工場のノイズ、意味不明な物語展開など、画家を目指していたリンチだけあって、シュルレアリスム全開の作品に仕上がっている。

本作の注目は、なんといっても奇形の赤ん坊だろう。あまりにもリアルな造形から、本物の死体が使われているのではないかとも噂されているが、真相は明らかになっていない。

なお本作の舞台・フィラデルフィアは、リンチが新婚生活を過ごした場所。彼によると、当時のフィラデルフィアは貧困と犯罪が混在する土地であった。そういった意味で、本作は彼のプライベートフィルムと言えるかもしれない。

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