完全終了…日本の崩壊を描いた邦画は? 衝撃作5選。恐ろしいけどスカッとする…!? 見応えのあるカルト映画を厳選
長らく映画の題材として取り扱われてきた世界の崩壊。実際にはありえないと思われる内容でも、現実の情勢を見るとないとも言い切れない。度重なる自然災害、世界規模のパンデミック、今も拡がる戦火を見てしまうと、思わず“その延長線上”を想像してしまう。今回は国および世界の崩壊を描いた日本映画を5本セレクトした。(文・村松健太郎)
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【著者プロフィール:村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
クライマックスで描かれる大災害に震撼
『ドラゴンヘッド』(2003)
監督:飯田譲治
脚本:NAKA雅MURA、斉藤ひろし、飯田譲治
出演:妻夫木聡、SAYAKA、山田孝之、藤木直人、近藤芳正、根津甚八、寺田農、谷津勲
【作品内容】
修学旅行の帰り道に大地震により新幹線のトンネル内に閉じ込まれた高校生たちは何とか脱出して東京を目指す。途中で様々な人々と出会うもの、壊滅的な被害を前に多くの人は絶望の淵に立っていた。
【注目ポイント】
『バタアシ金魚』(1990)や 『鮫肌男と桃尻女』(1998)などの映像化作品などでも知られる望月峯太郎の代表作を映画化した超大作。
当時若手演技派の一人として注目を浴びていた妻夫木聡が主演を務め、本作が長編映画デビューとなったSAYAKA(神田沙也加)がヒロインを務めた。
共演には山田孝之や藤木直人などの名前が並ぶ。特に今作での怪演を見せた山田孝之にとってはターニングポイントとなった作品と言っていいだろう。監督は『NIGHTHEAD』(1992)や『アナザヘヴン』(2000)などのSF作品で辣腕を振るってきた飯田譲治が務めた。
ウズベキスタンで大々的な長期ロケを敢行するなど、当時としては破格の製作体制で作られた本作は、CG全盛の今でも十分見応えのある一本となっている。クライマックスで描かれる大災害には説得力があり、現実でも起こり得ると思わせる力がある。