日曜劇場『御上先生』第2話考察&感想レビュー。ますますドラマにのめり込む…視聴者の”先入観”を浮き彫りにしたラストとは?【ネタバレ】

text by まっつ

松坂桃李主演の日曜劇場『御上先生』(TBS系)が現在放送中。本作は、東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育を変えるため、令和の時代を生きる高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく物語だ。本日は第2話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

殺人事件と隣徳学院との繋がりが明らかに

『御上先生』第2話 ©TBS
『御上先生』第2話 ©TBS

 26日に第2話が放送された日曜劇場『御上先生』。初回から新機軸の「学園ドラマ」ということが明確に示されていたが、2話では様々な要素が複合的に、まるでビュッフェ・バイキングのようにずらりと並べられていた印象だ。

 何を思ってどう記していっても物足りない、もっといい盛り合わせ方があるのではないのか。そんな考えで頭がもたげてしまいそうな1時間となっていた。

 まず明らかとなったのがバタフライ・エフェクトの正体。1話冒頭でのショッキングな事件の真相が解き明かされる。国家公務員採用総合職一次試験で起きた殺人事件の容疑者が、隣徳学院を辞めた教師・冴島(常盤貴子)の子供であることが発覚。自分がリークした不倫記事が関連しているかもしれないという自責を神崎(奥平大兼)は感じるのだった。

 御上(松坂桃李)は教壇の前で事実を明らかにしながら、クラスに求めたのは生徒同士での意見交換。

 神崎の記事について、正直どう思っていたか――。胸がすく思いをした者、疑問を持った者様々だが、ピューリッツァー賞を獲った「ハゲワシと少女」のその後(少女は無事に保護され、撮影者は批判に病んで自殺した)を知っており、当の本人でもある神崎は「シャッターを押すべきだった」と信じて疑わない。写真がなければ誰にも知られることのない真実があったから。

 そんな強い信念が神崎からは見て取れるわけだが「冴島先生を食おうとするハゲワシの正体を見ようとしなかった」とある種の反省も口にしているのが興味深い。まだ高校生とはいえ、聡明で、想いもある彼がひとつひとつの行動がもたらす影響としっかりと向き合ったことに意味がある。

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