『119 エマージェンシーコール』第3話考察&感想。見上愛がどうしようもなく魅力的…もっとも心を打たれたシーンとは?【ネタバレ】

text by 西本沙織

清野菜名主演の月9ドラマ『119 エマージェンシーコール』(フジテレビ系)が現在放送中。本作は、消防局の通信指令センターを舞台に、消防車の出動を指令する指令管制員(ディスパッチャー)のリアルを描く。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:西本沙織】

1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。

見上愛がどうしようもなく魅力的だった

『119 エマージェンシーコール』第3話 ©フジテレビ
『119 エマージェンシーコール』第3話 ©フジテレビ

 つらいときや悩みがあるとき、はたまた何かにつまずいたときなど…。困ったときに周りに「たすけて」と声を出せる人って、案外ものすごく少ないんじゃないだろうか。『119 エマージェンシーコール』第3話では、エリート指令管制員・新島紗良(見上愛)の葛藤にスポットが当てられた。

 冒頭では、紗良の恋人に海外転勤の話が浮上する。かつては、紗良も海外で働きたいと考えていた。それを知る恋人には、「今後のことを考えたら 今の(紗良の)仕事って本当にベストなのかな」と言われてしまう。

 日本ならば両立も叶うかもしれないが、海外に行けば今の場所での指令管制員の仕事は諦めなければならないだろう。突如目の前に現れた二者択一に、紗良の表情は揺れている。

 あっけらかんと明るく、とりあえず行動!な粕原雪(清野菜名)と違って、紗良はクールで、自己開示をまったくしないタイプ。だからなのか、雪 の仕事に対する“熱”が目に見えてわかりやすいのに対し、紗良はとても分かりにくい。

 でも、紗良が指令管制員の仕事に一途に向き合っていることは、各シーンが物語っている。たとえば、ある中国人からの通報に雪が応答したとき。インバウンドの増加に伴い、外国人からの119番を受信するケースも増えた。そこで活躍するのが、電話通訳センターを介した三者間同時通訳だ。

 外国人からの通報や現場での救命処置を、円滑にするためのサポート機能。だが、「ギフト」が英語では「贈り物」、ドイツ語では「毒」を表すように、同じワードでも国や地域によって受け取る印象や意味が異なり、混乱が生じることもある。

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