ドラマ『秘密』第3話考察&感想レビュー。板垣李光人”薪”の運命が過酷すぎる…中島裕翔の演じ分けはどうだった?【ネタバレ】
板垣李光人&中島裕翔がW主演のドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)が放送開始中。科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”が、死者の生前の記憶を映像化する特殊技術で難事件に挑む。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:ばやし】
ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。
第九に新たな風を吹かせる鈴木(中島裕翔)と瓜二つの青年
前話から約3年の月日が流れ、新たに法医第九研究室(通称・第九)へとやってきたのは、鈴木(中島裕翔)と瓜二つの顔を持つ青年・青木一行(中島裕翔/二役)だった。
鈴木と青木の違いを明確に示すためには、二役を演じる中島裕翔の念入りな演じ分けが必要不可欠。実際、薪(板垣李光人)に対する接し方ひとつとっても、青木と鈴木の表情や目つきは明確に異なり、中島の演技力が遺憾無く発揮されていた。顔は瓜二つながら彼らが別人であることは、視聴者にもすぐ伝わっただろう。
死者の脳から生前の記憶を映像化することで、これまで迷宮入りになっていた事件を解決する糸口にもなるMRI捜査。その実務を担当する第九、そして、憧れの存在でもある第九の室長・薪のもとで働くことは、青木にとって念願だった。
しかし、配属初日から青木は第九の洗礼を浴びることになる。今回、MRI捜査の対象になったのは、同日にバラバラの場所で自殺した9人の少年たちだった。
彼らの共通点として、同じ少年院にいた事実が明らかになったことから、第九の担当となった本事件。自殺した少年のひとりのMRI映像を見た青木は、その鮮明さに驚愕する。
初めてMRI映像を見る青木にとっては、見たままの映像がすべて。ただ、第2話でも描かれていたように、MRI映像は脳の持ち主による主観的な映像にすぎない。慌てふためく青木に対しての薪の叱責は、至極真っ当な意見ではあるが、彼に対して厳しく接するのはそれだけが理由ではないだろう。
ただ、先輩の岡部(高橋努)たちは青木にちゃんとフォローを入れており、ようやく第九がチームとしてのまとまりを見せつつあることが微笑ましくもあった。