もっとも感動した恋愛ドラマは? 後世に語り継ぐべき名作(5)まさかの展開…予想を裏切るストーリーに拍手喝采
フィクションにおいて「恋愛もの」といえば王道中の王道ジャンル。今回はそんな直球テーマの中でも、最高の恋愛ドラマを5本セレクト。切ない展開に涙する感動作から胸キュンシーンに心が沸き立つラブコメディまで珠玉の名作をご紹介する。第5回。(文・菜本かな)
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『星降る夜に』(2023、テレビ朝日系)
脚本:大石静
キャスト:吉高由里子、北村匠海、千葉雄大、猫背椿、長井短、中村里帆、吉柳咲良、駒木根葵汰、若林拓也、宮澤美保、ドロンズ石本、五十嵐由美子、寺澤英弥、ムロツヨシ
光石研、水野美紀、ディーン・フジオカ
【注目ポイント】
感情を忘れて孤独に生きる産婦人科医・鈴(吉高由里子)と、音のない世界で自由に生きる遺品整理士・一星(北村匠海)が織りなすラブストーリー。このドラマの推しポイントは、わたしたちのなかにある固定観念をぶち壊しまくってくるところ。
たとえば、一星はろう者であるため耳が聴えない。そのため、『オレンジデイズ』(TBS系、2004)や『silent』(フジテレビ系、2022)のように、聴者がろう者を支える…という感じのストーリー展開を予想していたのだが、『星降る夜に』はまったく違っていた。どちらかというと、一星が鈴を自由な世界に誘ってくれる存在として描かれていたのだ。ハンディキャップを背負っているはずの一星が、とにかく明るいキャラクターなのも良かった。
また、ディーン・フジオカが演じる深夜が登場したとき、「これは絶対に三角関係になるやつじゃん!」と安易に思ってしまったが、本作の脚本家・大石静はそうはしなかった。鈴と一星、そして深夜のことを「太陽と月と地球みたいな関係」「恋とか愛とか、単純な名前はつけられない」と言い切っていたのだ。お決まりのラブストーリーに飽き飽きしている人は、ぜひこの作品を観ていただきたい。
(文・菜本かな)
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