「お仕事をしていない時の自分も大切」WOWOW『連続ドラマW 災』出演・中村アンが語る役者業との向き合い方。単独インタビュー
香川照之が主演を務める、WOWOWオリジナル『連続ドラマW 災』が、4/6より放送・配信中だ。今回は、本作で真相究明のために、ひたすら調べ上げる刑事・堂本翠を演じた中村アンさんにインタビューを敢行。お芝居をする上で大切にしていることなど、たっぷりとお話しを伺った。(取材・文:加賀谷健)
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【著者プロフィール:加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修
クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。
2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。
日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
「刺激的でした」監督集団5月とのコラボレーション
―――本作のタイトル『災』の一文字が、台本の表紙に記されているのを一見して、まずどんな作品をイメージしましたか?
中村アン(以下、中村)「おそらくポジティブな意味ではないと理解しつつも、そこからどんな世界観が広がっていくのか、自然と想像が膨らみました。このスリリングで奇妙な物語を視聴者の皆さんはどう感じるのか。私自身が演じる中で、先の展開まで思いを巡らせていました。」
―――各話のラスト、赤い画面に浮かぶクレジットを早く見たくなる不思議な感覚があります。
中村「そうですね。音楽や映像のトーンもゆったりしているのに起きていることのパンチが凄まじくて、ザワザワします。独特な世界観の原案と脚本を手掛けているのは、監督集団5月のお二人です。演出も担当されていて、演出は“現場で作っていく”スタイルなんです。まずは撮影シーンを現場で一度演じてみる。その上で『今どういう気持ちか』など、監督たちとシンプルな疑問を交換しながら、お芝居の方向性を修正していきました。監督が自ら描かれた世界観なので、私が演じた堂本翠というキャラクターについて詳細に教えていただきました。
現場に監督が二人いるというのも初めての体験で、刺激的でした。それぞれの視点から選択肢やヒントが増え、アプローチにバリエーションが生まれたのも面白かったです。同世代の作り手が脚本を書き、現場で演出してくれるという点もとても興味深く感じました。嬉しいことに、私がYohji Yamamotoさんの「Y’s 1972」コレクションを着させていただいた際のビジュアルを5月のお二人がご覧になり、堂本翠の素のイメージと重なったと最初に伝えていただけたのはとても励みになりました。」