『しあわせは食べて寝て待て』考察&感想レビュー。宮沢氷魚も実は”ワケあり”? 第2話で再確認させられた”人の本質”とは?【ネタバレ】
text by 菜本かな
桜井ユキ主演のNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が現在放送中だ。本作は、病気で人生が一変した主人公が、築45年の団地での人間関係と薬膳との出会いを通して、自分次第のしあわせに気づいていく心温まる物語。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
“変わってしまった”ではなく“新しい自分になった”
このドラマのタイトル『しあわせは食べて寝て待て』は、“果報は寝て待て”ということわざから来たものなのだろうか。さとこ(桜井ユキ)の人生は、一生付き合っていかなければならない病気と言われている膠原病になってから、一変してしまった。
「命に関わる病気じゃない」「普通に生活してください」と言われても、病気になる前の自分とはちがう。週5フルタイムで働ける体力はないし、理不尽な扱いに立ち向かえる気力もない。
「みんな結婚して子どもを産んで、幸せな家庭を築いているのに、わたしは病気になって会社を辞めて、マンションを買うっていう夢も絶たれてしまって…」と思ってしまうから、友人と連絡を取るのも億劫になってしまった。
そんなとき、「これまでの自分と比べるからしんどくなるんじゃない? こう考えたらどうかしら。新しい自分になったんだって」と声をかけてくれたのが、さとこが暮らす団地の大家・鈴(加賀まりこ)だ。
人は、失ったものを追い続けてしまうようにできている。それは、仕方ない。だからこそ、“変わってしまった”んじゃなくて、“新しい自分になった”と言い聞かせることが大事なのだ。さとこも、病気にならなかったら、鈴や司(宮沢氷魚)が暮らす団地に引っ越してくることもなかったのだから。