現代の”美”と”狂気”とは? 映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』公開に先駆け、映画×バレエ作品を紹介

text by 編集部

世界最高峰のバレエ団“ボリショイ・バレエ”を舞台に、完璧なプリマになることに取りつかれたアメリカ人バレリーナの狂気に満ちた映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』が、4月25日(金)より、TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開される。今回は、映画×バレエからみるダイバーシティについて紹介する。(文:編集部)

純白のバレリーナは狂気を纏い花開くー。

映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』
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 昨今公開されているバレエ映画から浮かびあがるダイバーシティについて注目したい。4月25日(金)に公開を控える映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』は、ボリショイ・バレエ団にスカウトされたアメリカ人の少女ジョイが単身ロシアに渡りプリマを目指す物語だ。

 ストーリーだけ聞くと素直に応援したくなる内容だが、ジョイは踊りがアメリカ人っぽいと言われたり、国籍のせいでトップは目指せないとロシアに渡ってから知らされたり、さらにはパトロンと呼ばれる人との接待を強いられたりと数多くの衝撃的な経験をすることに。パトロンの1件は、2003年に体重が重すぎるためにボリショイ・バレエを解雇された元プリマ・バレリーナのアナスタシア・ヴォルチコワが、オリガルヒ(新興財閥の有力者)と寝るように上層部から迫られたとメディアに告白したことを思い出させる。また国籍だけでなく、肌の色での差別があったことも有名な話だ。

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