『名探偵コナン 隻眼の残像』をより楽しめる? 物語の”鍵”を握る「長野県警」を徹底考察&解説。毛利小五郎の真骨頂とは?

text by ガラガラ

『劇場版名探偵コナン』シリーズの第28作目となる映画『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』が現在公開中だ。今作のキーパーソンとなるのは毛利小五郎と長野県警。今回は、コナン初心者にも、劇場版だけを楽しむコナンファンにも、映画をより楽しむために押さえておきたいポイントをご紹介する。(文・ガラガラ)

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最新作『隻眼の残像』のキーキャラクターを徹底解説

映画『名探偵コナン 隻眼の残像』
©2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 テレビアニメ『名探偵コナン』において、長野県警が初登場したのは、2008年放送の第516話「風林火山 迷宮の鎧武者」(後編517話と併せて通称「風林火山」)だ。

 事件の依頼で長野県にある虎田家を訪れた小五郎たち。そこで遭遇したのが長野県警の大和勘助(声:高田裕司)と上原由衣(声:小清水亜美)だった。

 長野県警の警部である大和は、今作の劇場版のタイトル『隻眼の残像』のとおり、目に大きな傷を持つ人物。過去に事件の捜査中に雪崩に巻き込まれたことで、隻眼に杖をつく姿となった。推理力や観察力に優れており、「風林火山」後の2009年放送の第557話「危険な二人連れ」では、「眠りの小五郎」を牛耳っているのはコナンであると見抜いていた。

 由衣は、殺された虎田家の長男の妻であり事件当時は警察を辞めていたが、この「風林火山」後に、刑事に復帰を果たす。

 元々は幼馴染であるこの2人。しかし見た目に加えて荒っぽい言動の大和は、由衣に対して「人の命が懸かってんだ!!四の五の言わずに答えろ!!」と怒鳴ったり、「ただの被害者の妻…容疑者の1人だぜ…」などと冷たく接するなど、冷酷な印象を与える初登場だった。

 しかし、粗暴な人物であることは確かだが、冷酷というのは誤りだ。事件解決後、「また警察に戻ってこい」とやさしい態度を向け、由衣の警察復帰を後押しすることになった。

 また、由衣の方も大和のことを「敢ちゃん」と呼んでおり、2人の関係は決して悪くなく、お互いに幼馴染以上の感情を抱いている。ヒロインの毛利蘭や遠山和葉に「風林火山」になぞらえた恋愛アドバイスをしたこともあった。

『名探偵コナン』といえば、ミステリーも勿論だが、登場人物の恋愛模様も魅力の1つ。大和と由衣のもどかしい関係の進展具合にも注目すべきだろう。

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