見た目がそっくり…漫画実写化で主役を食った俳優&女優5選。再現度が高すぎて共演者を圧倒した役者をセレクト
人気マンガの実写化は、ファンの期待と不安が交錯するジャンルだ。主役が話題になるのは当然だが、時に“脇役”のはずの俳優が圧倒的な再現度と演技力で注目をさらい、作品そのものを塗り替えてしまうことがある。今回は、原作ファンすら唸らせ、主役以上に話題を集めた俳優をセレクト。それぞれの魅力を紐解いていく。(文・編集部)
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無邪気さと狂気さを併せ持つ天才名探偵
松山ケンイチ(L)『デスノート』(2006)
監督:金子修介
原作:大場つぐみ、小畑健
出演者:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹
2006年に公開された映画『デスノート』。原作は大場つぐみ原作、小畑健作画による同名の人気漫画で、名前を書くだけで人を殺せるデスノートを手にした天才高校生・夜神月(やがみらいと)と、彼を追う世界的名探偵・L(エル)との頭脳戦を描くダークサスペンスだ。
この物語で、松山ケンイチが演じたLは、夜神月と対峙するもう1人の主人公ともいえる存在だった。彼は世界の裏側で暗躍する天才的な探偵で、その正体も行動もすべてが謎に包まれている。
藤原竜也が演じた夜神月も、原作の持つ狂気じみたカリスマ性を十分すぎるほど表現していた。しかし、それでも松山ケンイチ演じるLが世間の話題を独占した感は否めない。その理由はいくつかある。
まず、公開前から最も注目された点の1つが、キャラクターのビジュアル再現度だった。松山ケンイチは、原作Lの持つ独特な猫背、指を口元に当てる仕草、そしてあの特徴的な目つきを完璧に再現。まるで漫画からそのまま飛び出してきたかのような姿は、原作ファンに衝撃と歓喜を与えたのだ。
さらに、ただ外見を真似ただけではない。L特有のしゃべり方、座り方、お菓子の食べ方、そして時に見せる子供のような無邪気さ、あるいは狂気的なまでの執着心といった、Lの複雑な内面までも深く掘り下げて演じきった。その徹底した役作りは、単なるコスプレではない「Lそのもの」をスクリーンに映し出した。
そして、夜神月との、まさに表裏一体の演技合戦もLの魅力を引き立てたといえる。2人の頭脳戦は、互いの演技力が拮抗することで、より一層スリリングで見応えのあるものとなったのだ。
松山ケンイチ演じるLは、その圧倒的な表現力で観客を魅了し、映画『デスノート』の成功に大きく貢献した。彼のL役は、まさに漫画実写化の金字塔の1つといえるだろう。