ラウール“カヲル”の本音とは? サブタイトル「宿題」が深すぎる…『愛の、がっこう。』第3話考察&感想レビュー【ネタバレ】

text by 於ありさ

木村文乃主演のドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)が放送中だ。木村演じる高校教師と、Snow Man・ラウールが演じる夜の世界でNo.1を目指すホストの、禁断なのに純愛な“愛”の物語。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・於ありさ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】

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“宿題”がもたらしたもの

『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ
『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ

 宿題をやらないのも、愛実(木村文乃)を怒らせるのも、すべて作戦だったと思われるカヲル(ラウール)の行動。カヲルは、愛実を怒らせるため、そして、怒らせた後に優しくし、自分への気を引くため、愛実に気づかれないように自分の存在という“宿題”を残した。

 しかし、愛実はその“宿題”に気づかない。カヲルからしたら一生懸命、宿題をこなし、わざわざ学校に送るということをしたものの、愛実はカヲルから手紙が届いたという事実以上に、真面目だ、つまらないと言われたことに対する苛立ちを抑えきれず、カヲルからの手紙を開封しないまま捨てたのだ。

 しかし、その後、百々子(田中みな実)から話を聞いた時に、愛実はあの手紙は開けなくてはならない手紙だったと気づく。

カヲル(ラウール)が手紙を選んだワケ

『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ
『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ

 この時代、携帯電話での連絡先がつながり合っているのにも関わらず、あえて手紙という手段をとったカヲルは一枚上手だ。こんなふうに送ってきたことに対して、真面目な愛実が電話一本で済ませることができるほど、不義理な性格ではないというのをきっとカヲルは想像し、あえて手紙で連絡をとったのだろう。

 そして、愛実はまんまとカヲルの策略にハマり、宿題の感想を伝えるために店に向かうのだった。さらには先日の真面目だ、つまらないと言われたことに対しての反抗とも思われるかのような行動に。愛実はカヲルにシャンパンを開け、教師という世間体を気にしない一面もあるというところを見せたのだった。

 まさに、ここまではカヲルから愛実への“宿題”がうまく作用した回、と言えた。

 しかし、その後、とある出来事をきっかけに、3話のサブタイトル「宿題」の意味は変わってきた。それはあくまでもカヲルから愛実にだされたものではなく、愛実もカヲルに出したものだったのだ、と。

 幼い頃から周囲に文字が読めないことを「バカだ」と言われ、そのまま大人になってしまったカヲル。そして、その言葉を嫌というほど受け入れてきたがゆえに、自分のことを「バカだ」と認めていたカヲルに、愛実はある言葉を残した。

「カヲルさんは、バカじゃありません」と。

愛実(木村文乃)が声を荒げなかった理由

『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ
『愛の、がっこう。』第3話 ©フジテレビ

 ここで愛実が、いつものことならチワワのように声を荒げていいそうなものだったが、淡々と静かに告げた姿が印象的であった。

 決して迷惑を起こしたいわけではない。もっと言うと明菜(吉瀬美智子)の考えを改めたいわけではない。ただただ自分の授業を聞き、一生懸命にコンプレックスと向き合っていたカヲルを無下に扱うこと「バカだ」と切り捨てることが、なんとも悔しかったのだろう。

 この言葉を聞き、カヲルは愛実を追いかけ抱きしめる。抱きしめたのが、ホストとしてなのか、それとも鷹森大雅としての幼き頃から嫌だったことを払拭してくれたがゆえの感謝の意味を込めてなのかは、未だにわからない。

 ただ、カヲルの中に、愛実という自分を肯定してくれる存在が宿題のように残ったことは事実だろう。

 正直なところ、この2人の関係が恋愛へと発展していく兆しが今のところ、まだ見えてこない。ホストと教師、混じり合うことのなかった2人だから、そんなに急展開に恋愛関係に発展しないという意味でも、このドラマがあえて急展開のラブストーリーとして描かないことも頷ける。

 そもそもタイトルの「愛の、」というのは恋愛としての愛を指しているのではないのかもしれない。無償の愛、教師として生徒に向ける愛…その形はさまざまだ。果たして、このタイトルが何を表しているのか。そして、毎度つけられている“がっこう”にまつわるサブタイトルが何を意味しているのか、これからも注目していきたい。

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【著者プロフィール:於ありさ】

ライター・インタビュアー。金融機関、編プロでの勤務を経て2018年よりフリーランスに。サンリオ・アイドル・恋愛コンテンツ・ガールズカルチャー・テレビ・ラジオ・お笑い・サッカーが好き。マイメロディに囲まれて暮らしている。

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