杏がすごい! 一方…小栗旬の李牧に賛否のワケとは? 映画『キングダム 運命の炎』はひどい? 面白い? 忖度なしガチ評価
text by ZAKKY
古代中国の春秋戦国時代末期における、戦国七雄の争乱を描く、漫画家・原泰久による大人気コミックの実写化第三弾『キングダム 運命の炎』が公開中だ。山崎賢人、吉沢亮、大沢たかおに加え、長澤まさみ、吉川晃司、小栗旬がサプライズ出演した本作のレビューをお届けする。(文・ZAKKY)【あらすじ 考察 解説 評価 レビュー】
原作でも人気の高いエピソードを忠実に実写化
紀元前3世紀、500年の争乱が続く古代中国の春秋戦国時代末期を舞台に、「中華統一」を目指す後の始皇帝・第31代秦王・嬴政(吉沢亮)と、その元で「天下の大将軍」を目指す主人公である奴隷の少年、信(山崎賢人)の活躍を描く大ヒット漫画の実写版第3弾。
『キングダム』(2019)( 以下、『※1』)においては、信と吉沢亮演じる嬴政(えいせい)、旅の仲間であり橋本環奈演じる河了貂(かりょうてん)らの出会いから、嬴政と弟・成蟜(本郷奏多)の王位をめぐる争いが決着するまでを描いた。
『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022)( 以下、『※2』)では、嬴政がおさめる秦国が、隣国・魏との戦で蛇甘平原に軍を起こし、信が歩兵としてその決戦に参加する。そして、かつて昭王の元、六大将軍として数多の戦場で猛威を振るい、昭王の死後、嬴政の下に着いた、王騎(大沢たかお)が、信の導き手として大きく関係する、といったストーリー展開である。
そして、今作は、魏との戦いに勝利をおさめた信と嬴政たちに対し、新たな敵である隣国・趙が戦争を仕掛けてくるという物語だ。『1』『2』同様、原作に忠実に相違点は特になく、かつ、描写をせずともストーリーが成立するパートは削除し、2時間強の尺に上手くまとめた制作陣の手腕は、今回もお見事。
見どころは何と言っても、原作でも人気の高い嬴政の過去を描いた、女商人・紫夏(杏)との出会いと死別のパート『紫夏編』が中盤でがっつりと描かれていることであろう。