テレビドラマでも欠かせない存在に
ファーストサマーウイカ『光る君へ』(NHK総合)
今年を代表する作品となったのが、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。大石静の圧倒的な筆捌きは、従来の大河ドラマファンだけではなく、文学史好きをも取り込んだ。
高畑充希の定子、黒木華の倫子、見上愛の彰子、南沙良の賢子ーーここでもかなり迷ったが、『光る君へ』からは、ききょうを演じたファーストサマーウイカを挙げたい。バラエティー番組での活躍もさることながら、テレビドラマでも欠かせない存在になっており、今年は『不適切にもほどがある!』(TBS系)にも出演。
『光る君へ』で演じたききょうは、ミステリアスなまひろ(吉高由里子)に対して、あけすけな性格でありながら、“推し”である定子に忠誠を尽くす純粋さが、どこか憎めなかった。ほんのわずかなシーンでも記憶に残り、ファーストサマーウイカ自身のパブリックイメージをもとに、何十倍も跳ねたキャラクターになったと思う。