“シリアルキラー”の象徴と言われる”
『テッド・バンディ』(2019)
監督:ジョー・バーリンジャー
脚本:マイケル・ワーウィー
原作:エリザベス・クレプファー
出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラリオ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノバン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、ブライアン・ジェラティ、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジム・パーソンズ、ジェームズ・ヘットフィールド
【作品内容】
1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会ったテッド・バンディとリズは幸せな家庭を築いていく。ある日、信号無視で警官に止められたテッドは、後部座席に合った袋を不審に思われ誘拐未遂事件の容疑者となってしまう。その前の年にも女性の誘拐事件が発生しており、その犯人の似顔絵がテッドの顔に酷使していた。
【注目ポイント】
1970年代のアメリカにおいて40人余りの女性を手にかけて連続殺人犯テッド・バンディ。彼を表するために犯罪史上初めて“シリアルキラー”という言葉が使われた。
テッド・バンディは反社会性パーソナリティ障害であったとされる一方でハンサム且つIQも高かったとされ、“いずれ知事になるのでは?” ともされていた人物で、逮捕後も自身で弁護をするなど注目を浴び続け、熱心なファンが付いたことでも知られている。
テッド・バンディについてはドキュメンタリーを中心に多くの映像作品が作られているが、本作はれっきとしたフィクション。『ハイスクール・ミュージカル』で人気を博しアイドル的な存在だったザック・エフロンがテッド・バンディを演じ、それまでのイメージとは異なる顔を見せている(ちなみにサック・エフロンは製作総指揮も務めている)。映画では主に逮捕され裁判にかけられるテッド・バンディの姿を描いている。
シングルマザーのエリザベスはテッド・バンディと出会い深い関係になっていく。そんな中、テッド・バンディはお縄に。次々と白日もとに晒されていくバンディのおぞましい犯行内容と自分だけに見せてくれた優しさ…。両者のギャップにエリザベスは思い悩まされていくことになる。
テッド・バンディの近くに居ながらなぜか被害者とならなかったのか。エリザベスという女性の目線で映画は進んでいく。今までになかった視点であり、観る者は始終興味深く画面を見つめることだろう。
ちなみに、原題の“Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile(極めて邪悪で衝撃に凶悪で卑劣)”というのはテッド・バンディへの死刑判決の際に使われた言葉である。