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健忘者の悲劇を描いたクリストファー・ノーランの原点

『メメント』(2000)

ガイ・ピアース
ガイ・ピアース【Getty Images】

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
キャスト:ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス、ジョー・パントリアーノ、ジョージャ・フォックス

【作品内容】

 ロサンゼルスで保険調査員として働くレナード(ガイ・ピアース)は、ある日、何者かに妻(キャリー=アン・モス)を惨殺され、自身も頭部の傷がもとで新しい記憶を10分しか覚えられない前向性健忘症を患ってしまった。

 しかし、そんな中、レナードは、犯人への復讐を決意。ポラロイド写真を撮影し、重要な情報を自身の身体にタトゥーとして刻み込みながら、「ジョン・G」なる人物の姿を追うが、やがて調査は思わぬ方向に進んでいき―。

【注目ポイント】

 『インセプション』(2010)や『インターステラー』(2014)など、複雑かつ難解なSF作品を数多く世に送り出してきたクリストファー・ノーラン。そんなノーランのいわば原点ともいえる作品が『メメント』だ。

 本作最大の特徴、それは、物語がレナードの時間軸で進んでいくことだろう。作中では、現在から過去へ進むカラー映像のパートと、過去から現在へと進むモノクロ映像のパートが約10分おきに交互に流れ、最終的に両者が交わるという構成になっている。

 そして、最終的に判明するのは、実に悲しい真相だった。なぜなら、妻を殺害したのは、他ならぬレナード自身だったからだ。

 その日、レナードは、薬物中毒の若者2人組に妻が凌辱されている場面を目撃し、彼女を助ける。恋の時レナードは、重傷を負いながらも、2人を返り討ちにする。

 さて、問題はこの後だ。プライドをずたずたにされた妻は、レナードにインスリン注射を大量に注射するよう懇願する。そして、妻は、10分しかもたないレナードの記憶を利用し、10分ごとに声をかけてインスリン注射をしてもらうことで、効率的に自殺を遂げたのだ。

 しかし、彼の彼のもとに、この真相が伝わることはない。なぜなら、彼の脳は、あまりにも悲惨な真相を改変するようにプログラミングされているからだ。犯人探しに躍起になるレナード。彼の飽くなき復讐は、彼が生きている間空転し続ける。

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