三代目 J SOUL BROTHERSのライブはなぜ特別なのか? ドームツアーの演出をガチファンのライターが徹底解説

text by 加賀谷健

三代目 J SOUL BROTHERSのライブは視覚と感動を融合させ、観る者を映画のような世界に誘う“映像詩”だ。今回は、『“THIS IS JSB”』(2021)や『“ECHOES OF DUALITY”』(2024)など、ドームツアーでの圧巻の演出を辿りながら、彼らの魅力を紐解いていく。(文・加賀谷健)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:加賀谷健】

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修
クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。
2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。
日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。

三代目JSBが届ける特別なクリスマス

三代目 J SOUL BROTHERS
三代目 J SOUL BROTHERS

 毎年、三代目 J SOUL BROTHERS(以下、三代目JSB)のライブだけは欠かさず観ている。ぼくは大抵、千秋楽を観に行く。それで年の瀬が近くなると、もう楽しみで仕方なくなる。

 5度目のドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021“THIS IS JSB”』千秋楽(2021年12月26日、以下、『“THIS IS JSB”』)は、特に鮮明に記憶している公演である。2010年11月10日にデビューした三代目JSBは、本来なら2020年にデビュー10周年を記念した公演を行う予定だったが、コロナ禍の影響で2021年に周年ツアーがずれ込んだのだ。

 1年越しだからこそ、MATE(三代目JSBファンの呼称)の期待と三代目JSBメンバーの気合いが自然と結束したのかもしれない。『“THIS IS JSB”』は、その結び目に他ならなかった。1年越しのドームツアー公演千秋楽であるばかりか、1日遅れのクリスマスを祝う趣向もこらされた。サンタクロースのコスチュームに着替えたメンバー7人によるEXILEの「LAST CHRISTMAS」(Wham!が1984年にリリースした同名曲をEXILEが日本語詞カバーしたナンバー)カバーは、格別のパフォーマンスだった。

 ツインボーカルの今市隆二とØMIが、原曲から日本語詞カバーへと受け継がれたクリスマスの音色を丁寧に粒立たせ、リーダーのNAOTO、小林直己、ELLY、山下健二郎、岩田剛典ら、パフォーマーたちによる身体の躍動が、客席までホリデーシーズンの温もりを伝える。

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