演出の隅々に溢れる『007』愛
『しゃべくり007』→『007は殺しの番号』(1962)
監督:テレンス・ヤング
脚本:リチャード・メイボーム、ジョアンナ・ハーウッド、バークレイ・マーサー
原作:イアン・フレミング
出演:ショーン・コネリー、ウルスラ・アンドレス、ジョセフ・ワイズマン、ジャック・ロード、バーナード・リー、ピーター・バートン、ロイス・マクスウェル、アンソニー・ドーソン、ジョン・キッツミラー、ゼナ・マーシャル、ユーニス・ゲイソン
【作品内容】
冷戦期真っ只中のアメリカ。アメリカの月面ロケット発射計画を目前に控え、ジャマイカ駐在の英国秘密情報部(MI6)の諜報部員ジョン・ストラングウェイズ(ティモシー・モクソン)と新人助手メアリーが突然消息を絶つ。
この事態を重く見たMI6は、エリート諜報員「007」ことジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)に調査を命じる。事件の真相を究明するため、ジャマイカに飛び立ったボンドは、アメリカCIAのフィリックス・ライター(ジャック・ロード)と知り合い、クラブ・キーの所有者ドクター・ノオ(ジョセフ・ワイズマン)が怪しいという情報を得る。
【注目ポイント】
2008年から日本テレビ系で放送されている『しゃべくり007』。くりぃむしちゅーの上田晋也と有田哲平、ネプチューンの名倉潤と堀内健、原田泰造、そしてチュートリアルの徳井義実と福田充徳という百戦錬磨の芸人7人が織りなす即興トークは、多くの視聴者の心を鷲掴みにしている。
さて、そんな本番組は、タイトルからも分かる通り、イギリスのスパイであるジェームズ・ボンドを主人公とした人気シリーズ『007』をブランドイメージとしており、BGMにも同シリーズの音楽が一貫して用いられている。
例えばオープニングテーマに使われているのは、『007は殺しの番号』(1962)が初出の「ジェームズ・ボンドのテーマ」。また、ゲスト登場時のBGMには、『007/美しき獲物たち』(1985)のエンディングテーマ「A View To A Kill」が、料理のシーンでは、『007/ゴールドフィンガー』(1964)のメインテーマ「ゴールドフィンガー」が用いられている。
なお、初期は番組セットを同シリーズの舞台であるMI6本部のデザインにしたり、番組内で放送禁止の際に流れる「ピー」音にも同シリーズの銃声風効果音を使用したりと、細かい部分にも同シリーズの演出が引用されている。そういった意味で本番組は、『007』シリーズが「フリ」になっていると言えるだろう。