映画制作者と配信側の溝

『ウルフズ』の続編

ジョージ・クルーニー【Getty Images】
ジョージ・クルーニー【Getty Images】

監督:ジョン・ワッツ
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット

【注目ポイント】

 ジョン・ワッツが監督・脚本を務め、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが共演のアクション・コメディ映画『ウルフズ』。オーシャンズシリーズで共演した2人がタッグを組むということで公開前から話題となった作品だ。

 しかし、2014年9月に日米で公開を予定していたものの日本公開は急遽中止に。アメリカでの公開も1週間限定。その後はApple TV+で独占配信という流れになった。

 同作の続編も製作が計画されていたが最終的に中止に。その背景には監督のジョン・ワッツが、Appleによる期間限定上映後に配信といった戦略に強い不満を抱いており、また、事前説明もなく方針変更が知らされたのは正式発表の1週間前。それが信頼関係の崩壊につながったとされている。

 この問題はAppleに限らず、近年の配信業界全体に見られる傾向でもある。実際、他の大手配信サービスでも同様の公開戦略によるトラブルが起きており、Netflix 映画『ナイブズ・アウト』シリーズやAmazon『ロードハウス/孤独の街』(2024)も映画制作側と配信プラットフォームとの間に深まる溝が浮き彫りになっている。

 続きが気になる作品だっただけに製作中止には「配給先変えてでもやって欲しい」と熱望の声が寄せられている。

(文・阿部早苗)

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【了】

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