お馴染みのキャラ・毛利小五郎の真骨頂
最後のキーパーソンは、シリーズファンにとってはお馴染みの存在、毛利小五郎(声:小山力也)だ。
小五郎は『名探偵コナン』のヒロイン・毛利蘭の父親で、コナンが居候する「毛利探偵事務所」を経営する探偵。コナンが「眠りの小五郎」としてあらゆる事件を解決したおかげで世間の評価が上がったものの、素の状態ではとんちんかんな推理をすることが多い。また、昼間から酒を飲んだり、金遣いが荒いなどだらしない姿を見せることも多く、コナンや蘭から呆れられることもあるような人物だ。
とはいえ、この辺りのことは『名探偵コナン』をあまり知らずとも、ご存知の人も多いだろう。
しかし、普段はだらしなさが目立つ小五郎だが、時折見せるかっこいい姿が魅力的。ここでは、かっこいい小五郎が見られるエピソードをいくつか紹介したい。
まずは、1996年放送の第27〜28話「小五郎の同窓会殺人事件」。小五郎が眠らずに自らの手で解決した初の事件である。大学時代の同窓会で起きた殺人事件。抵抗する犯人に一本背負いを決め「どんな理由があろうと…殺人者の気持ちなんてわかりたくねぇよ」と一喝するシーンは必見に値する。
2つ目は2003年放送の第305〜306話「見えない容疑者」。小五郎の幼なじみである雨城瑠璃(島津冴子)が事件の第一発見者ということで、小五郎の推理力が覚醒。コナンでも見抜けなかった真相にたどり着く。
犯人をかばおうとする雨城瑠璃に「幼なじみのおまえを…こんなつらくて悲しいウソで一生しばりたくはねーからな…」と悲しげに言いつつも己の正義感を貫く様は本当にかっこいい。この事件で小五郎に痺れた人も多いだろう。
このように、小五郎は友人や身内が関わる事件だと真骨頂を発揮するのだ。
劇場版においては9作目『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』(2005)で、小五郎が大活躍したこともあった。しかし近年では、怪盗キッドやFBI、公安などサブキャラクターの台頭が目覚ましく、映画で活躍する機会が減りつつあった。
そんな小五郎が、今作『隻眼』にて「眠らない小五郎」として堂々とメインを張る。久しぶりの小五郎の活躍に大いに期待が持てるだろう。
長野県警と毛利小五郎が、コナンとともにどんな難事件に挑むのか、注目必至だ。
(文・ガラガラ)
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【了】