尾田栄一郎は天才…『ワンピース』史上最高の伏線回収5選。考察好きも驚いた…珠玉の神展開をセレクト
1997年に連載を開始して以来、世界中で愛され続けてきた漫画『ONE PIECE』。累計販売部数は5億冊に上り、漫画界の聖書との異名をとっている。そんな本作だけに、数年ごし、時には数十年越しの「伏線回収」が話題となることも多い。今回は、読者が感嘆した驚愕の伏線を5本紹介しよう。(文:編集部)
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「Mr.プリンス」の伏線が18年越しで回収された瞬間
サンジの出自
東の海のバラティエ編で麦わらの一味に加入したルフィの4人目の仲間サンジ。師匠ゼフ譲りの足技と料理の腕で、仲間との絆と彼らの胃袋を支え続けてきたのは周知の通りだ。
さて、そんなサンジだが、ホールケーキアイランド編(2016年4月~)で北の海の海遊国家ジェルマ王国の王族・ヴィンスモーク家の生まれであったことが明らかになる。初登場となる第43話「サンジ登場」(1998年6月)から実に18年目の真実だった。
ただ、サンジが王子だったというこの驚愕の事実には連載当初から伏線が張られていた。一番有名なのはアラバスタ編でのサンジの挙動だろう。犯罪組織バロックワークスのアジトを見つけたサンジは、ボスであるクロコダイルからの電話に出て、とっさに「Mr.プリンス」と名乗っている。
また、麦わらの一味で唯一手配書が似顔絵だったことや、「DEAD OR ALIVE(生死問わず)」ではなく「ONLY ALIVE(生け捕りのみ)」と記載されて特別扱いされていたことも、サンジが「やんごとなきお方」だった立派な証拠だろう。手配書を発行する世界政府がサンジの正体を把握していて、王族の血筋を守るため殺さないよう指示していたことが考えられるのだ。
他にも、高価な『悪魔の実大図鑑』を「子どもの頃に見たことがある」と語ったり、自身の過去や故郷の話題になるとあえて話を逸らしたり、客の食べ残しに手をつけようとする同僚のコックに「やめろよ」と進言したりと、改めて読み返してみると「確かに…」と思える点が多々見られる。
女性に人一倍優しい騎士道的精神の持ち主として描写されているサンジ。その勇敢な心根は、彼の育ちの良さが生んだものなのかもしれない。