“自分らしさ”を迷わず表現し続ける
吉高由里子
天然な一面と独特な発言でバラエティでも話題を呼ぶ吉高由里子。軽やかで自由な空気を纏いながら、演技においては感情の深層にまで潜り込む繊細さで、観る者の心を揺さぶってきた。
彼女の存在が広く知られるようになったのは、衝撃のデビューを飾った映画『蛇にピアス』(2008)だろう。それ以降も『ユリゴコロ』(2017年)やNHK連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)など、シリアスからコメディまで多彩なジャンルで実力を発揮し、確かなキャリアを積み重ねてきた。
そんな吉高に憧れの眼差しを向けるのが、若手実力派の清原果耶だ。彼女はインタビューで「吉高さんの自然体の演技や親しみやすさを自分にも取り入れたい」と語り、「いつか共演したい」という強い願いも口にしていた。
また、2018年のドラマ『正義のセ』で共演を果たした広瀬アリスも、「とてもふんわりした空気感を持っている印象が強い。学生時代からテレビで見ていた憧れの方なので、共演が決まったときはとても緊張しました」と、吉高に対する尊敬の念を隠さない。
普段は自由奔放で飾らない姿が印象的な吉高だが、作品の中では一転して、登場人物の内面を丁寧にすくい取る誠実な芝居を見せる。この“飄々とした雰囲気と、芯のある演技”というギャップこそが、彼女の最大の魅力かもしれない。
そして、誰もが「正しさ」や「計算された振る舞い」を求められる今の時代において、“自分らしさ”を迷わず表現し続ける吉高由里子という存在は、多くの俳優にとっての希望であり、目標となっているのだろう。その唯一無二の佇まいは、決して真似できるものではないからこそ、後進の女優たちにとっての永遠の憧れとなり続けている。