有名映画シリーズの汚点…黒歴史となった残念な続編5選。ブーイングも..ファンの怒りを買った問題作をセレクト
映画史において、名作シリーズなのに「なんでこうなった…?」とファンをガッカリさせた続編は少なからず存在する。期待が大きかったぶん、その落差も大きい…。今回は、ファンの間で“黒歴史”扱いされがちな失敗続編5本をピックアップしてご紹介する。(文・編集部)
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まさかの急展開にブーイング!ファンが絶望した第3作
『エイリアン3』(1992)
監督:デビッド・フィンチャー
キャスト:シガニー・ウィーバー、チャールズ・S・ダットン、チャールズ・ダンス
【作品内容】
2270年、囚人惑星フィオリーナに不時着した女性航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)は、密かに侵入したエイリアンと再び対峙する。武器も仲間も限られる中、囚人たちと共に死闘に挑むが、やがて自身の体にエイリアンが寄生していることに気づく…。
【注目ポイント】
リドリー・スコットの革新的なSFホラー『エイリアン』(1979)、ジェームズ・キャメロンの圧倒的アクション大作『エイリアン2』(1986)。この2作により『エイリアン』シリーズは映画史に残る傑作として確固たる地位を築いていた。しかし、1992年に公開されたシリーズ第3作『エイリアン3』(2003)だけは、シリーズファンからの厳しい批判に晒されることとなる。
舞台となるのは、外界から隔離された刑務所惑星。そこでは重罪を犯した囚人たちが、罪を背負いながら独自の信仰に救いを求め、厳格で禁欲的な生活を送っている。そんな惑星に宇宙船事故で漂流した女性航海士リプリーは、密かに侵入していた凶暴な宇宙生命体の存在に気づき、再び死闘に身を投じることになる。
本作最大の批判点の一つが、物語冒頭での主要キャラクターの唐突な死である。前作『エイリアン2』(1986)でリプリーと共に生還したニュート、ヒックスといった仲間たちは冒頭の事故であっけなく命を落としてしまう。他にも、宗教的要素がありながらも登場人物の思想や行動と密接に結びつくこともないまま、設定だけが浮いてしまっている。
制作中には、脚本の度重なる変更や複数の監督交代、スタジオ側の強い介入といった制作上の混乱に見舞われた末に、当時新人監督だったデヴィッド・フィンチャーの手によって完成された本作。しかしフィンチャー自身は、撮影から編集に至るまで創作の自由を与えられなかったという。このような制作体制の不安定さが、作品全体に一貫性のなさや構成上の弱さとして表れてしまったのかもしれない。
本作は、シリーズの流れを断ち切るような展開に加え、活かしきれない設定や技術面での粗さ、さらに制作体制の混乱が重なったことで、多くの批判を招く結果となったといえるだろう。