天真爛漫で誰からも愛される女子高生
木南晴夏(小泉響子)『20世紀少年 第2章 最後の希望』(2009~)
監督:堤幸彦
原作:浦沢直樹
出演者:豊川悦司、常磐貴子、平愛梨、香川照之、ユースケ・サンタマリア
映画『20世紀少年』は、浦沢直樹の人気漫画を原作に、堤幸彦監督が手がけた三部作の実写化作品。世界的陰謀に立ち向かう少年たちの姿を壮大なスケールで描いた群像劇の中で、主人公・ケンヂ(唐沢寿明)やカンナ(平愛梨)に並び、異彩を放ったのが、2作目『20世紀少年 第2章 最後の希望』より登場した、小泉響子役の木南晴夏だ。
小泉響子は、カンナの親友であり、明るく天真爛漫、どこか間の抜けた愛嬌を持つ高校生。物語が進むにつれ、「血の大みそか」などの重要局面に絡むキーパーソンとなる。原作でも人気のあったこの響子を、木南晴夏はまるで漫画から抜け出したかのような再現度で演じ、映画公開当時、原作ファンの間で話題を集めた。
特に注目を集めたのは、ビジュアルだけでなく、木南自身が持つ表情や間の取り方、ちょっとした仕草にまで宿る「らしさ」である。その自然体のコミカルな演技は単なる再現を超え、響子というキャラクターを映画の中にリアルに存在させた。
木南晴夏にとっても、この響子役は転機となる。ヒロインオーディションに落選した後、響子役で抜擢され、脇役でも観客の心を掴めるバイプレイヤーとしての自信を得たと語っている。以後、ドラマや映画で多彩な役柄をこなし、独自のポジションを築いていくこととなった。
『20世紀少年』における木南晴夏の小泉響子は、漫画実写化の中でも主役を食った俳優の好例といえる。原作へのリスペクトと俳優自身の魅力が融合した稀有なキャスティングとして、今なお映画ファンの記憶に強く残るキャラクターである。
(文・編集部)
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