『鬼滅の刃』史上最もグロい…トラウマを与えた死亡シーン5選。読者の心に深い傷を残した名場面をセレクト

text by 小室新一

国民的ヒットを記録した『鬼滅の刃』は、鬼と人間の過酷な戦いを描くだけでなく、時に視聴者の心に深い傷を残す衝撃的なシーンをも盛り込んでいる。なかでも、キャラクターたちの壮絶な最期は、“グロテスク”という言葉だけでは言い表せないほどのインパクトを放ち、多くの読者に「トラウマ級」と語られてきた。今回は、そんな『鬼滅の刃』の中でも、心に突き刺さる“グロい死亡シーン”を厳選して5つ紹介する。※原作のクライマックスに触れています。未見の方はご注意ください。(文・小室新一)

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「生きたまま火炙りに」──人間時代に訪れた凄惨な最期

堕姫(人間時代)

『鬼滅の刃』堕姫
ufotable公式Instagramより

【注目ポイント】

 堕姫は、『鬼滅の刃』の遊郭編(第8巻〜)に登場する上弦の陸であり、妓夫太郎と二人一組で行動する鬼である。劇中では、善逸と伊之助に頸を斬られ、同時に妓夫太郎も頸を斬られることで完全に滅する。

 だが、本当に衝撃的なのは鬼としての最期ではない。堕姫、すなわち人間時代の「梅」が迎えた、あまりにも残酷な死に様だ。

 梅は遊郭の最下層で生まれ、母の病に由来する名前を授けられた。幼い頃からその美貌は際立っており、兄である妓夫太郎にとっても誇りであり、生活の糧でもあった。二人は互いに支え合い、過酷な境遇を生き抜いていた。

 しかし、13歳のとき、運命は急変する。とある侍が妓夫太郎を侮辱したことに怒り、梅は簪で侍の片目を突き失明させてしまう。その報復として、彼女は「生きたまま火炙りにされる」という非道極まりない制裁を受けるのだった。

 この火刑の描写は、『鬼滅の刃』の中でも屈指のトラウマシーンとされる。痛み、絶望、救いのなさ──それは鬼になる理由として十分すぎるほどの絶望であり、同時に人間社会の残酷さを浮き彫りにする。

 現代の感覚であっても直視しがたいその場面は、ただのグロテスクではなく、「人間の業」と「弱き者が背負う不条理」を鋭く突きつけてくる。鬼となった後の堕姫の狂気と執着が、どこから始まったのかを思い知らされる場面でもあった。

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