「4ページの衝撃死」──謎多きキャラの悲惨すぎる最期

サイコロステーキ先輩(本名不明)

『鬼滅の刃』累
ufotable公式Instagramより

【注目ポイント】

 『鬼滅の刃』那田蜘蛛山編(単行本第4巻~第6巻)は、主人公・炭治郎が初めて“十二鬼月”という強敵と対峙するターニングポイントとして知られる。この激闘に多くの鬼殺隊士たちが登場する中で、モブキャラながら異様な存在感を放ったのが、いわゆる“サイコロステーキ先輩”だ。

 その名の通り、彼の本名は作中で一切明かされていない。しかし、そのインパクトある死に様が読者の記憶に深く刻まれ、ネット上では広く“サイコロステーキ先輩”の愛称で呼ばれることとなった。

 彼の登場は、炭治郎と下弦の伍・累との緊迫したやりとりの最中だった。突然現れた彼は、累を年端もいかぬ“子どもの鬼”と侮り、格下と決めつけてあろうことか見下すような態度を取る。そして「楽して鬼を倒して手柄にしよう」という浅はかな打算のもと、累に軽率に斬りかかったのだった。

 しかしその瞬間、彼の身体は累の糸によって切り裂かれ、まさに「サイコロステーキ」のような無惨な姿へと変わり果てる。判断の甘さ、実力の差、そして油断──そのすべてがわずか数コマで集約された凄惨な末路であった。

 登場わずか4ページという短さにもかかわらず、あまりにも唐突かつグロテスクな退場劇は大きな話題を呼び、SNSを中心に“伝説のモブキャラ”としてネタ化。公式からも意図されていないキャラクターながら、ある意味で読者に最も強烈な印象を残した“やられ役”といえる。

 その死は哀れであると同時に、鬼との戦いがいかに無慈悲で、命がけの世界であるかを端的に示す象徴的な場面でもあった。

【著者プロフィール:小室新一】

埼玉県出身。映画や旅行、建築などのジャンルで主に執筆活動をしているライター。学生時代から演劇の道へ進み、映画や舞台などに出演。現在は、映画の魅力を多くの人に届ける活動をしている。特に好きなジャンルは、SFアクションやミステリー作品。“今日は残りの人生、最初の日”をモットーに、素直な感情を執筆。

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【了】

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