流石にガッカリ…金曜ロードショーでファンがブチギレた映画5選。大幅カットに違和感…視聴者から悲鳴が上がった作品をセレクト

text by 阿部早苗

毎週金曜日のお楽しみである「金曜ロードショー」。しかし、放送時間の都合上、名シーンがカットされてしまうこともしばしば…。これに違和感を感じた視聴者が不満を爆発させることは最早お約束となっている。そこで今回は、金曜ロードショーでシーンをカットされて、ファンがブチギレた映画を5本セレクトしてご紹介する。(文・阿部早苗)

——————————

クライマックスの大胆カットにファンの怒号

『サマーウォーズ』(2009)

神木隆之介【Getty Images】
神木隆之介【Getty Images】

監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
出演:神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、富司純子、佐々木睦、谷川清美、信澤三惠子

【作品内容】

 惜しくも数学オリンピックに届かなかった高校生・健二は、憧れの夏希先輩に「バイト」に誘われ、長野にある夏希の実家を訪れる。親族の前で突然「婚約者」として紹介されて戸惑う中、世界中の人が利用する仮想世界OZ(オズ)で健二のアカウントが突如乗っ取られ、世界を揺るがす事件に巻き込まれていく。

【注目ポイント】

 細田守監督による夏アニメの金字塔『サマーウォーズ』(2009)は、爽快な青春群像劇とSF要素が融合した傑作として知られ、金曜ロードショーでも何度も放送されている。しかしそのたびに、SNSでは「名シーンがカットされた」と怒号が飛び交う。その“主戦場”となっているのが、物語終盤の名場面だ。

 特にファンの不満が集中するのが、仮想空間OZでヒロイン・夏希がAI“ラブマシーン”に挑む“花札対決”のくだりだ。世界中の人々から寄せられたアカウントを賭けて、手に汗握る心理戦を繰り広げるこの場面は、『サマーウォーズ』最大の見せ場と言っても過言ではない。

 しかし、地上波放送では尺の都合によりこのシーンが大幅に短縮・削除されることが多く、ネット上では「一番いいところを切るな!」とファンの怒りが噴出する。

 さらに、甲子園球児である陣内家の一員・了平の登場シーンもカットされやすい。

 了平は劇中で唯一長野を離れ、試合に臨んでいるが、テレビ中継や電話越しに家族とつながりを持つその描写は、物語全体に“血のつながり”と“絆”を通わせる重要な要素である。

 それが編集によってごっそり削られてしまい、ラストに突如現れるような構成になるため、作品の余韻が薄れてしまうという指摘も多い。

 極めつけは、山下達郎の名曲「僕らの夏の夢」が流れる感動のエンディングのカットである。2019年には「本編ノーカット版」として放送されたにもかかわらず、エンディングが切られるという“禁じ手”が実行され、SNSでは「本編ってどこまで?」「ノーカットって言ったじゃん!」と失望の声が広がった。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!