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映画史に残る結末…元ネタは? A24『Pearl パール』レビュー。ピッチフォークの意味を考察【映画と本のモンタージュ】

映画から受け取った感動をまったく別の体験に繋げることで、人生はより豊かになる。本コラムでは、ライターでブックレビュアーのすずきたけしさんが、話題の映画のレビューと共に作品理解が深まる本を紹介。“本のプロ”の視点から映画と書籍を繋げ、双方の魅力を引き出す。今回は、映画『Pearl パール』を考察。(文・すずきたけし)

【著者・すずきたけし プロフィール】

ライター。『本の雑誌』、文春オンライン、ダ・ヴィンチweb、リアルサウンドブックにブックレビューやインタビューを寄稿。元書店員。書店と併設のミニシアターの運営などを経て現在に至る。

A24手掛ける期待の最新映画『Pearl パール』のあらすじは?

© 2022 ORIGIN PICTURE SHOW LLC. All Rights Reserved.
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毎度のことながら気になる映画を送り出す映画スタジオA24製作の最新作『Pearl パール』を観た。監督、脚本を務めたタイ・ウエストによる『X エックス』のプリクエル(前日譚)となる本作は、前作に登場した老婆パールの若き日の物語だ。

第一次世界大戦末期の1918年、アメリカのテキサスでドイツ移民の厳格な母と体が不自由な父とともに暮らすパールは、日々父の世話と母からの抑圧に耐えながらもショービジネスの世界に憧れていた。

またパールは若くして結婚したものの、その夫ハワードは妻を家に残してヨーロッパに出征。果たして孤独の中で自らに向けられる愛情を失ったパールは、徐々に狂気を暴走させていくのであった。

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