極悪非道のカリスマ

ハンニバル・レクター博士「羊たちの沈黙」 (1991)

出典：Amazon

製作国:アメリカ
監督:ジョナサン・デミ
脚本:テッド・タリー
キャスト:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、テッド・レヴィン

【作品内容】

若い女性が皮を剥がされる連続殺人事件が発生。FBI訓練生のクラリスは、複数の猟奇殺人を犯し、獄中にいる天才精神科医レクターから事件解決のための助言を得るように命じられる。一方、彼は事件への協力の条件として、彼女に自身の過去を明かすことを要求する…。

【注目ポイント】

大柄で、力が強く、強靭な体を持つ悪役は、映画作品内では多々登場する。MCU最凶最悪の悪役サノスや、映画『ターミネーター』で、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800などが、その代表とも言える存在だろう。

しかし、彼らのような強靭な肉体を持った悪役よりも、さらに恐ろしい悪役がいる。それが、本作に登場する、冷酷で知的な殺人鬼・ハンニバル・レクターだ。

映画史に残る名悪役レクター博士が登場する『羊たちの沈黙』シリーズは、ドラマ作品も含め全5作品ある。その中でも特に、彼の極悪非道のカリスマ性が存分に発露されているのが、記念すべき1作目であり、その年のアカデミー賞を独占した名作『羊たちの沈黙』だ。

俳優アンソニー・ホプキンスが演じた最も象徴的な役柄でもあり、天才精神科医、連続殺人鬼、食人鬼でもあるハンニバル・レクターの悪役としてのインパクトの強さは群を抜いている。

上品で、教養豊かではあるが、殺人鬼としての顔も持つ、極端な二重性が、彼のキャラクターを複雑で興味深いものにしている。