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怖い映画が脳にポジティブな影響…? 行動科学者や精神科医が教える、ホラー映画視聴による脳や体への影響を徹底解説!

text by 編集部

怖いとわかっているのに見たくなってしまうホラー映画…。人間がホラー映画を見ると、必ず感じるのが恐怖心や不安感だ。できれば避けたい感情ではあるが、実はホラー映画の視聴で恐怖や不安を擬似体験することで、脳にポジティブな影響を与える可能性があるようだ。今回はその詳細を米 VeryWellHealthを参考にご紹介していく!

恐怖感を味わうことで不安を軽減できる?
ホラー映画視聴が脳に与える影響とは

映画シャイニングよりGetty Images

『シャイニング』(1980)や、『ヘレディタリー/継承』(2018)のような名作ホラー映画作品を視聴すると、大抵の人々は不気味な気分になるだろう。

しかし、ホラー映画を視聴し、恐怖を味わうことで、なんと心に抱える不安を軽減できる可能性があるという。しかも、緊張や不安を多く感じる人ほど、ホラー映画をより楽しめるようになるというから驚きだ。

この不思議な研究は、デンマークのオーフス大学Recreational Fear Labの行動科学者コルタン・スクリブナー博士らの研究チームによるもの。論文によれば「ホラー作品は、恐怖や不安を体験するためのコントロールされた予測可能な空間を提供する」「現実世界に起因する不安とは異なり、ホラー小説に起因する不安は、明確な原因に根ざしており、より容易に管理でき、明確な時間枠がある」という。

スクリブナーによれば、ホラー映画を視聴した後に起こる生理的変化は、有酸素運動による「ランナーズハイ」の感覚に似ているという。心臓がドキドキし、心拍数と血圧が上昇すると、体に酸素を送るために呼吸が速くなる。脅威に直面するのか、それとも逃げるのかを予期し、筋肉が緊張する。

また、ノースカロライナ州にあるニューウォーターズ・リカバリーのメディカル・ディレクターで認定精神科医のハロルド・ホン医学博士は、電子メールで「ホラー映画のスリリングかつ鋭敏なストレス反応によって、私たちは周りの環境をより生き生きと感じられるようになる」と語っている。

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