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なぜ山崎賢人は漫画実写化の成功請負人となったのか? 繊細な表現力と内に秘められた少年性の魅力を徹底解説

俳優・山﨑賢人。数々のヒット作に出演している人気俳優だが、特に漫画やアニメ実写作品の出演数が多いことが特徴的だ。では、そんな彼はなぜ実写作品に多く抜擢されるのか、主人公に足る魅力はどこにあるのか。今回は、押しも押されぬ実力派俳優である山﨑賢人の魅力を、過去の出演作を振り返りながら紐解いてみたい。(文・あまのさき)

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

数々の実写作品を任される山﨑賢人
その真の魅力とは

山﨑賢人【Getty Images】
山﨑賢人Getty Images

わたしが山﨑賢人という俳優を認識したのはドラマ『35歳の高校生』(2013、日本テレビ系)でのことだった。序盤こそクラスの中で目立たない存在だった山﨑演じる阿久津だが、物語が進むにつれて彼の本性が露わになっていく。すべてが詳らかになったときに覗かせた表情に、背筋を冷たいものが走った視聴者も多くいたのではないだろうか。

その後出演した映画『L♡DK』(2014)で「壁ドン」という流行語を生むきっかけを作ってからの快進撃は、あえて語るべくもないだろう。映画『ヒロイン失格』(2015)や映画『orenge-オレンジ-』(2015)、映画『オオカミ少女と黒王子』(2016)といった少女漫画の実写映画に多数起用され、ヒロインの相手役を好演した。同じ時代を生きた女性たちは、きっと1度は山﨑の演じる役に恋をしたことがあるはずだ。山﨑賢人は、いつも誰かにとっての理想の王子様だった。

風向きが変わってきたのは2017年、山﨑が23歳の年に公開された映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)が公開されたあたりからだろう。時を同じくして映画『斉木楠雄のΨ難』(2017)も公開されるなど、人気少年漫画の実写版主人公への抜擢が続く。恋愛作品におけるかっこいい存在から、じわじわと自身の輪郭を広げていく時間。それまでとは違った山﨑の一面を見るようでわくわくした。

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