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映画好きがガチ「号泣」…史上もっとも感動的なラストシーンは? 名エンディング5選【洋画編】ハンカチ必至の作品を厳選

text by ニャンコ

感動する名画は数多く存在するが、その中でも思わず涙を流さずにはいられないラストシーンがある映画というものは、一体どのくらいあるのだろうか?今回は、ハンカチ必須の感動の名ラストシーン映画を5本セレクト。感動するだけではなく、人生に感銘を与え、生きる道標となるような指折りの作品をご紹介する。(文・ニャンコ)

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どんな状況下でも
前向きに生きる大切さを教えてくれる

『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)

ロベルト・ベニーニ
ロベルトベニーニGetty Images

製作国:イタリア
監督:ロベルト・ベニーニ
脚本:ヴィンチェンツォ・チェラーミ、ロベルト・ベニーニ
出演者:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジョ・カンタリーニ、ホルスト・ブッフホルツ

【作品内容】

トスカーナ地方の小さな町へやって来たユダヤ系イタリア人の陽気な男性グイド(ロベルト・ベニーニ)は、美しい小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と運命的な出会いを果たす。

陽気で機転のきくグイドにドーラも心を奪われ、やがて2人は結婚し、息子ジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)も生まれ家族は幸せな日々を送る。しかし彼らが暮らす町にもユダヤ人迫害の魔の手が迫り、3人は強制収容所に連行されてしまう。

グイドは幼いジョズエに悲惨な現実を悟られないよう、収容所で起こることをすべてゲームとして説明する。「ゲームに勝ち残り1000点貯めたら本物の戦車がもらえる」と…。

【ラストシーンは…】

連合軍の助けが来る前日に、グイドはナチスに捕えられ、銃殺される。しかし、彼は、最期の時まで笑顔を絶やさなかった。

ナチスが撤退した朝、砂埃から連合軍の戦車が現れ、その後、母親と再会を果たす。グイドは「勝ったよ! 1000点だ!」、母親もジョズエを抱き締め「そうよ、私たちは勝ったのよ!」と叫んだ。

すっかり成長し、大人になったジョズエは、「これが私の物語である」と、父親が自分に対しどれだけ愛と希望を与えてくれていたかという物語を語り、本作は終わる。

【注目ポイント】

本作のラストシーンは、映画史屈指の名シーンと言っても過言ではないほど、深い感動に包まれるシーンである。ナチスの強制収容所に収監され、銃殺されそうになった父親グイドが息子ジョズエに向かってウィンクし、おどけてみせる姿に多くの観客が涙したことだろう。

またグイドが銃殺された後、ユダヤ人を解放するため連合軍の戦車が現れるが、ここでかつてグイドがジョズエを安心させるためについた嘘である「ゲームの勝者には、戦車が与えられる」という言葉が活きてくるストーリー展開も見事である。

本来は非常に重たく暗いシーンであるにもかかわらず、ジョズエにとっては「ゲームに勝ったから、賞品が貰えた」という微笑ましいシーンに仕上がっており、そのギャップが深い感動を与えてくれるのである。

本作のラストシーンは、ジョズエを守るために嘘を貫いたグイドの愛、そしてジョズエの新たな人生への希望と可能性を描いている。戦争の悲惨さを描きながらも、どんな悲惨な現実でも明るく前向きに生きていくことの大切さを教えてくれる素晴らしい映画である。

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