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ビジュアル系謙信
異色の存在で主役を食う名脇役

『風林火山』GACKT(上杉謙信)

GACKT
GACKTGetty Images

放送期間:2007年1月7日~12月16日
原作:井上靖『風林火山』
脚本:大森寿美男
最高視聴率:22.9%
キャスト:内野聖陽、市川亀治郎、柴本幸、仲代達矢、風吹ジュン、池脇千鶴、千葉真一、佐々木蔵之介、谷原章介、光石研、笹野高史、池松壮亮、竜雷太、田辺誠一、真木よう子、高橋一生、緒形拳、西岡德馬、市川左團次

【作品内容】

戦国時代、武田信玄に仕えた軍師・山本勘助の波乱に満ちた生涯を中心に、乱世を生き抜いた人々の姿を描いた人間ドラマ。理想の主君・信玄、永遠のヒロイン・由布姫のために、無償の愛をささげる勘助の熱き戦いを描いている。

勘助は、川中島の決戦で「啄木鳥戦法」を計画し、信玄に進言するが、上杉軍に見破られ、自らも出陣して単騎で上杉政虎(上杉謙信)の首を狙うも果たせず、壮絶な討ち死にを遂げる。

【注目ポイント】

その上杉政虎を演じたのが、“ビジュアル系四天王”の1つのロックバンド「MALICE MIZER(マリスミゼル)」のボーカルだったGACKT。バンド解散後はソロ活動を続けていたが、事実上、ドラマ初出演にして準主役という大抜擢だった。当初、“素人”の起用に、「話題作り」といった批判的な声が上がったものの、本人はそんな声を跳ね除ける演技を見せる。

とかくむさ苦しくなりがちな時代劇にあって、GACKTが演じた謙信は、まるで平安貴族のような狩衣に長髪を垂らした姿で、「ビジュアル系謙信」として大きな話題を呼び、人気を博す。どこか危ない雰囲気を漂わせ、強烈なカリスマ性をもった謙信役は、ミステリアスなイメージがあるGACKTにはハマり役だったのだ。

GACKT本人も上杉謙信という歴史上の偉人に惚れ込み、そのスタイルについて「謙信の出家は川中島の後で、それ以前はそうではなかったはずと主張してあの姿になった」とコメントしている。

作品の中で異色の存在として輝いたGACKTはインパクト十分で、主役を食う名脇役として輝きを見せ、その後、俳優として活躍するきっかけとなる。特に『翔んで埼玉』(2019~2023)シリーズには欠かせない存在となった。

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