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アンメットが名作になった理由③
声量を抑えたセリフ回し

『アンメット』第11話より ©カンテレ
『アンメット』第11話より ©カンテレ

 アンメットの最大の特徴、それは「声」だ。他の民放ドラマと比べてもとんでもなく声量が小さい。確実に、字幕設定、イヤホン推奨。犬を飼っていたり赤ん坊を育てている家庭にはあまりにも向かないドラマでもある。

 特にSNSなどでも話題になった9話のミヤビと三瓶の長回しのシーンは、良い意味でなんと喋ったのかわからない箇所があり、もはやドラマを観ているのではなく「2人が2人にだけ向けて喋っていて我々視聴者はそれを覗き見している」感覚に陥った。

 スマホを操作しながらのリアルタイムのつぶやきが最重要視されている現代のドラマ界において、いっさい「ながら見」を許さない演出こそ、アンメットの魅力だと私は感じている。余計なことは何も考えず目の前に提示された物語に、ただ没頭する。本来ドラマというのはこういうものだった、と改めて痛感させられた。

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