「自分の人生を映画化してくれた」自己防衛おじさん(橋本鉄平)が選ぶ映画5選【私の人生を変えた珠玉の作品たち】
「お金いっぱい欲しいんだったらさ、年金あてにしちゃだめじゃない」「自己防衛、投資、あと海外移住、日本脱出だよね」―。2016年。とある街頭インタビューに登場した男性が、ネット民たちの心をつかんだ。それから8年。その男性は、「自己防衛」という言葉とともに語り継がれている。今回は、「自己防衛おじさん」こと占術家の橋本鉄平さんに、人生を変えた映画を5本ご紹介いただいた。
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【橋本鉄平 プロフィール】
1981年生まれ
左利き
O型
新橋駅前の街頭インタビューからメジャーデビューを果たした「自己防衛おじさん」こと橋本鉄平。占術家・コラムニスト・CM 出演等、多方面で活躍中。
X:自己防衛おじさん//橋本鉄平
“自己防衛術”に長けた詐欺師の大立ち回り
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2003)
――最初にご紹介頂くのは、稀代の詐欺師フランク・アバグネイルの活躍を描いた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』です。この映画にはじめて出会ったのはいつ頃でしょうか。
「2003年ころですね。ただ、僕が見たのは映画館ではなく、飛行機の中でした。当時、僕はアメリカに住んでいて、国際線によく乗っていたんですが、ちょうどこの作品が流れている期間に日本とアメリカを飛び回っていて、暗記するくらいリピートしました」
――この作品のどこが当時の鉄平さんを惹きつけたのでしょうか。
「アバグネイルが醸し出す“自由さ”ですね。彼は、両親の離婚をきっかけに道を踏み外してしまうんですが、地頭の良さを生かし、弁護士や医師など、さまざまな職業になりすます。そんなアバグネイルの型にハマらない生き方が、まだ何者でもなかった22歳の鉄平君の胸に大いにささったのかな、と。
加えて、今もなんですが、僕は生来、自分の存在に絶妙なうさん臭さを感じていて(笑)。アバグネイルの山師っぽさも、彼に惹かれた理由のひとつですね。まさに自分の人生を映画化してくれたような、そんな印象を受けました」
――ご自身の境遇が、アバグネイルとリンクしたわけですね。
「そうですね。たぶん、今出会っていても、詐欺師を題材にした娯楽映画という認識で終わっていたと思います。あの時、あのタイミングで出会ったからこそ、一生心に残る映画になったのかな、と」
――素晴らしいですね。スピルバーグに聞かせてあげたい(笑)。ちなみに、印象的なシーンを教えてください。
「トム・ハンクス演じるFBI捜査官のカールが、アバグネイルが滞在するホテルにやってくるシーンですね。アバグネイルにとっては絶体絶命のシーンですが、シークレットサービスを名乗って偽造身分証を見せることで、見事にその場を切り抜けます。追い詰められた時でも平静を装い、大きな声でハッタリをかます。これは、生きていく上での重要な自己防衛術なんじゃないかな、と(笑)」
――出ましたね(笑)ありがとうございます。ちなみに、鉄平さんご自身は占いをご職業にされていますが、絶体絶命のピンチに陥ったことはあるのですか。
「話がなかなかまとまらなかったり、どう言いまわしても話が進まなかったりといったことは稀にありますね。もちろん、アバグネイルのように嘘を吐くわけにはいかないですが、そんな時は、お客さんに喜んでいただくことを最優先に、時間が過ぎ去るのをじっと待ちます」