合計IQは4人で700! 鮮やかな犯罪解決に手に汗握る
『SCORPION/スコーピオン』(2014~2018)
製作総指揮:スクーター・ブラウン、ヘザー・カディン、ジャスティン・リン
出演:エリス・ガベル、ロバート・パトリック、キャサリン・マクフィー、エディ・ケイ・トーマス、ジェイディン・ウォン、アリ・スティダム他
【作品内容】
IQ197を誇るウォルターを中心に、行動心理学者のトビー、機械工学に長けたハッピー、数学者のシルヴェスター、彼らの渉外役を引き受けるペイジらが、チーム“スコーピオン”を結成。事件を鮮やかに解決しつつ、生い立ちのトラウマやギャンブル依存症など、自身の課題にも向き合っていく。
【注目ポイント】
『SCORPION/スコーピオン』は、実在の人物ウォルター・オブライエンから着想を得て制作された。現実のオブライエン氏は高IQの実業家として知られ、作中にも同名の主人公として登場する。
本作で痛快なのは、特定の分野に長けた登場人物たちが、自らの頭脳と最新テクノロジーを駆使して犯罪に挑む点だ。そのキャラクター造形にはややステレオタイプを指摘する声もあるが、エンターテインメントにはわかりやすさも必要であろう。
本作における眼目は、むしろその裏にある彼らの欠点だ。周囲に“天才”とみなされる彼らにも、社会的マイノリティであるがゆえの苦悩がある。自身に足りないものに向き合いつつ、少しずつ獲得していこうとする様には、どこか応援したくなる要素がある。
作中では登場人物たちの恋愛模様も描かれるのだが、それぞれの不器用さゆえに、なかなか進展しない。そんな展開にムズムズするのも、『SCORPION/スコーピオン』の魅力のひとつだといえるだろう。