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祥平(玉森裕太)の成長

ドラマSP『グランメゾン東京』©TBS
ドラマSP『グランメゾン東京』©TBS

 この勝負をきっかけに、京野と倫子は店を終わらせることを決意。gakuのシェフ・丹後学(尾上菊之助)にスタッフ全員の雇用を頼み込むが、そこで祥平が萌絵と芹田を連れ、丹後にお金を貸してほしいと頭を下げにきたことを知る。手も足も出ない状況であっても、若いスタッフたちはまだ誰も諦めていなかったのだ。

 その筆頭にいるのが祥平であり、今回のスペシャルドラマは彼の成長物語でもあった。尾花が転落するきっかけとなった事件で誤ってアレルギー物質を料理に混入させてしまい、そのことをずっと負い目に感じながら生きていた祥平。

 彼は決して天才ではなく、尾花への憧れと嫉妬の間で絶えず揺れ動く心情を玉森裕太が繊細に表現してきた。だけど、いつだって料理への情熱は祥平の中で消えることなく燃え続けていて、だからこそ彼が作るものは人の心を動かすのだろう。

 倫子からシェフの座を譲り受けた祥平のもと、スタッフたちは新メニューの開発に着手。完成した料理はリンダから高評価を得る。だが、祥平にとって何よりも嬉しかったのは尾花の反応だろう。

「ごちそうさまでした」とたった一言だけ告げ、深々と頭を下げる尾花。それは彼なりの料理人に対する最大限の敬意と称賛だ。こんなにも台詞で語らない、胸を震わすシーンがあっただろうか。

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