もはや、この世は全て金?
吉原は男が女を買う場所だ。一見華やか世界は、あまたの女性たちの犠牲の上に成り立っていて、そのシステム自体は「吉原に好き好んでくる女なんていねえ」という第1回の蔦屋の台詞で否定されている。その上で、少しでも女郎たちがお金を稼げて、健やかに生きていける方法を探るのが蔦屋なのだ。
「もはや、この世は全て金」という田沼の台詞が印象的だったが、もしかしたらこの時代は徐々に社会が資本主義に移行し、人情が失われていった時代なのかもしれない。
そんな中で、「吉原細見」の編纂を手がけたことをきっかけに、版元としての一歩を踏み出す蔦重。成功すると、多くの人は変わる。だけど、彼は自分だけで私腹を肥やすのではなく、みんなで豊かになろうとする人なのではないだろうか。
(文・苫とり子)
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