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月9枠に新たな風を

『119 エマージェンシーコール』第1話 ©フジテレビ
『119 エマージェンシーコール』第1話 ©フジテレビ

 指令管制員の仕事は、通報者の状況を正確に、迅速に消防隊員へ繋ぐこと。通話を切ったらそこで終了であり、あくまで“つなぎ”である、と。兼下が現場を離れたきっかけは明かされていないが、やけに割り切っているのは、救えなかった命に何度も触れてきたからなのだろう。

 しかし、雪の想像力によって救われる命があるのもまた事実だ。マリンモール内で起こった火事から逃げ遅れた少女を、通話録音に残されたわずかな“音”を頼りに救う。その姿は、まさにニューヒーローを予感させる締めくくりだった。

 雪が所属する横浜市消防局・司令課3係には、救命措置を得意とする与呉心之介(一ノ瀬颯)、コミュニケーション能力に長けた箕輪健介(前原滉)、なぜか必要以上に人と関わろうとしない新島紗良(見上愛)など、多様な面々が揃う。

 彼らがチームとして困難な状況に立ち向かっていくなか、各々が抱える問題や葛藤をどう乗り越えていくのか…成長群像劇としても非常に楽しみなドラマだ。

「恋愛枠」のイメージが未だ強い月9において、前クールの『嘘解きレトリック』に続く“月9っぽくない”本作。新たな風を吹かせてくれそうだ。

(文・西本沙織)

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